2022年12月14日水曜日

『反応しない練習』草薙龍瞬

2,500年ぐらい前に実在したというブッダという人は今も多くの人を救っています
その教えが実用的で合理的なので現代人にも効果があるからです
この本はその教えをわかりやすく解説した本です

どんな人の人生にも悩みや問題がつきものです
そのような苦しみがあることをまず認めるのが救われる道への第一歩です

その苦しみの源は求める心にあります
求める心とは生きている間ずっと「反応しつづけるエネルギー」です

求める心は7つの欲求に分かれています

生存欲(生きたい)
睡眠欲(眠りたい)
食欲(食べたい)
性欲(交わりたい)
怠惰欲(楽をしたい)
感楽欲(音やビジュアルなど感覚の快楽を味わいたい)
承認欲(認められたい)

これらの欲求に突き動かされて人は反応します
そして時には欲求を満たす喜びがまた時には満たされない不満が生まれます
それを繰り返しているのが人生です

ここで問題なのは不満という反応です

不満は三つの状態に分類でき三毒と呼ばれ人間の三大煩悩とされています

貪(とん):貪欲(過剰な欲求に駆られている状態)
瞋(じん):怒り(ストレスを感じイライラし機嫌が悪い状態)
癡(ち):妄想(想像したり考えたり思い出したりとボンヤリ何かを考えている状態)

人間が最も得意で大好きなのは妄想でナンバーワンの煩悩です

このような煩悩から自由で開放された境地が解脱です
ブッダの教えとは求める心を手放すことで煩悩から自由になる方法なのです
苦しみから解き放たれた状態はまた善とも表現されます

ブッダの教えのひとつに人生の大きな心がまえがあります
人間関係をまあるく治める慈・悲・喜・捨という四つの心がけです

慈:相手の幸せを願う心
悲:相手の苦しみ・悲しみをそのまま理解すること
喜:相手の楽しみ・喜びをそのまま理解すること
捨:手放す心、捨て置く心、反応しない心

草薙さんはそうして正しい生き方を心の土台にすえるよう勧めています

反応せず正しく理解すること
三毒などの悪い反応を浄化すること
慈・悲・喜・捨の心で向き合うこと

このようにして最高の納得が得られた境地は善とも意味が重なります


『断捨離で日々是ごきげんで生きる知恵』やましたひでこ

断捨離とはヨガのことばで やましたひでこ というひとが提唱し商標登録しています
そのことを最近知り彼女の書いた本を読んでみようと思いました
この本は断捨離という言葉が流行語になった2010年に出版されたものです

読んで参考になったのは断捨離の片付け術よりもむしろその処世術でした

幸福を日々実感したくて家と職場で過ごす時以外をほとんどを何か埋めている女性がいます
家族が協力的で子育てが終わっていれば家事の負担は少なく休みも取りやすい
自分の自由な時間を自分の楽しみで満たしても何も問題もないとは言えます

いつ終わるかもしれない人生だから今を楽しむのだと言います
これも当世的には否定できない生活態度かもしれません
何よりその人自身が日々を楽しんでいると言うのですからそれでいいようにも思えます

断捨離的に見ればここに何かがあるように思えます
楽しんでいることの多くが受け身のかたちだからです
人にもてなしてもらうタイプの楽しさなのです
自分で自分をもてなすようなタイプの楽しみではありません
楽しいと言う毎日はじつは誰かに楽しませてもらっていることが多いのです

断捨離の処世術から見てたいせつなのは

人に頼らずに自分で自分をもてなせる(楽しませる)ようになること

そういうことなのかなと思いました


2022年11月23日水曜日

一行レシピ さわし柿ジャム

おけさ柿
厚さ3ミリに銀杏切りにして30%の重さの三温糖と檸檬一個の汁に混ぜ中弱火で20分煮る

さわし柿とは焼酎などで渋抜きをした柿のことで煮すぎると渋みがもどるので要注意です
三温糖とレモン汁を入れすぎると柿の風味がしなくなってしまいます
ちょっとデリケートなさわし柿のジャムです

2022年11月5日土曜日

一行レシピ 洋梨ジャム

厚さ3ミリに銀杏切りにして半量の重さの三温糖と檸檬一個の汁に混ぜ中火で20分煮る
洋梨が大好きです
いつか洋梨でジャムを作ろうと思っていました
ジャムにすれば春まで洋梨を楽しめるだろうから

川越市場でラフランスがお手頃だったので4つ買いました
いそいそと作り味見したところ・・・リンゴジャムとあまり変わりません
ちょっとがっかりしましたが好きな洋梨であることには変わりなし
ありがとう!

来年はラフランス以外でやってみます

2022年11月3日木曜日

川越のマンホールのフタ

このごろは各自治体がそれぞれ個性的なマンホールのフタを作っています
それをあちらこちらで1万枚以上撮影した人もいるとか

友人ドミニクもマンホールのフタを撮影するのが好きです
ことしヨーロッパを一緒に自転車旅行した際にも彼はあちこちで撮影していました
彼に川越のを見せることにしました
はいよドミニク

これはいちばんありふれたやつです
市の木である樫と同じく花である山吹をあしらっています
やや地味な印象がありますがいかがでしょうか
こちらは派手目な消火栓のフタです
これもマンホールのフタに含めていいのか分かりませんが目立っていたので紹介します
町火消しの纏が二つ描かれています
降っているつぶつぶが火の粉だとしたら迫力です
最後はお子様向けみたいな消火栓のフタです
川越市のマスコットキャラクターである「トキモ」が消防士に扮しています
ここにも例のつぶつぶが・・・
よく見るとそれは川越のシンボル「時の鐘」でした
丁寧に製造番号?も入っています
さてドミニクの感想はいかに


生ごみバケツ台

生ゴミを入れるバケツをこれまで床に直接置いていました
低くてゴミを入れにくいので腰掛と窓格子を作った時の端材を使って台を作りました
ついでにヤカンも置けるようになりました


2022年10月27日木曜日

名刺

太陽さんに制作をお願いしていた名刺ができました
表には自筆の「藁竹茅」のスタンプを一枚ずつ捺します
裏には小さく名前それにメールアドレスとブログのURL

シンプルですが高価なのでバラまきはしないつもりです

2022年10月22日土曜日

『「昭和」を送る』 中井久夫

中井さんは精神科医で専門は統合失調症です
この本は表題を含め多彩なエッセイが収められています
それらを読んでいて何度もドキッとする一文に目を覚まされました


日大の家族研究では「いちばんまともな家族成員が統合失調症になる」との結論だそうです
これは思いもよらないことでした
正直に言ってむしろその逆ではないかと思っていました
そう思ってしまったのはなぜなのでしょうか
家族に統合失調症の人がいると家族に迷惑がかかるからという断定です
そして家族に迷惑をかけるのはまともなことではないと
家族の誰かが統合失調症になるとその家族はいろいろなことを考えざるを得なくなります
その一つが「なぜ彼あるいは彼女は統合失調症になったのか?」という疑問です
日大の研究結果はそれを考える家族にとってとても重いものです


「生きるということは、多数の可能性を一つの現実に変えていくことである」
以前ずっと年若の女性と話していて困ったことがありました
私にはその人が日ごろ余りにいろいろ方向性もなくやっているように見えていました
もっと何か目的を持って集中的にやった方がいいのではと思っていました
ある時そのことを話してみました
すると5年後には死んでいるかもしれないから将来の計画などしても仕方がないと言うのです
身もふたもないこととはこういうことを言うのでしょうか
確かに死ぬかもしれないしけど死なないかもしれない

どうして彼女はそのように発想したのかと考えてみました
これまでいつも目的を持って集中的に取り組むことができない環境にあったのかもしれません
就職、結婚、子育てと切れ目なく続いた人生ではそんなことは考える暇がなかった
でもこれからは違うはずです
自分の生き方を思い描く力は誰にもあるはずです
あるいはそんなことではぜんぜんないかもしれません
もし機会があったらまた話してみたいと思います


「医学は「三大脅迫産業の一つ」だという陰口があります。後の二つは「教育」と「宗教」なのですが、いずれも、いうことをきかないと大変なことになりますよ、という点で、たしかに共通であります」


彼は言った。「日本文の構成原理は中国の詩法がもとの「起承転結」。日本人の論文がアメリカの雑誌で低く評価されるのは、そのためです」
「え、アメリカではどうなの?」
「起、承、承、承、承、・・・と続いて結にするのです。転はなし」
「日本人はそれを一本調子といい、単純とみなされる。別の角度からの見方も述べ、今後の問題にも触れ、保留すべきは保留するのが良いとされます」
「それは米国では弱さとみられます」
これは先日読んだ本に書いてあったことを裏打ちするような具体的エピソードです


「友情も、恋愛も、情事も、結婚生活も、憧れから始まり、理想化を経て熱中へ、そして現実が見えて、たとえ素晴らしくとも違和感が生まれ、この有為転変の繰り返しはまさにフーガである」
友情が恋愛・情事・結婚生活と同列に置かれていることに若干の違和感があります
この一文に友情を含めるのはどうかなと思います
恋愛・情事・結婚生活についていえばこのとおりかなとすこし寂しいですが思います


2022年10月17日月曜日

一行レシピ キウイジャム

芯が赤くてとても甘いキウイをもらいました
皮剥き銀杏切り砂糖加え30分置き強火のあとレモン汁加え弱火で煮詰め煮沸した瓶に入れる

<材料> キウイ 750g(皮をむいた状態)
     三温糖 375g 
     レモン 1個

砂糖を混ぜ合わせて30分置くと水分が出るので煮ても焦げ付きません
キウイは固形分が少ないので煮詰めるとどんどん量が少なくなります


五戒で人を観る

地橋さんはこの本で原始仏教の修行は五つの戒を守ることから始まると言っています
その五戒とは倫理的な行動規範でつぎの五つです

①不殺生戒(殺さない)
②不偸盗戒(盗まない)
③不邪淫戒(不倫をしない)
④不妄語戒(嘘をつかない)
⑤不飲酒戒(酒や麻薬など酩酊させるものを摂らない)

人を観るときこれら五つの戒をどの程度守っているかが一つの判断基準になります

世の人は五戒をどの程度守っているでしょうか?
おおよそつぎのようかと思われます

①と②については多くの人が守っている
③については守っていない人がけっこういる
④と⑤については③よりももっと多くの人が守っていない

それにしても「守っているか/守っていないか」という問いのたて方が疑問です
「白か/黒か」と尋ねているのですが実際には灰色の人がたくさんいると思うからです

それに灰色といっても大きな程度差があります
たとえば不殺生については殺すのが人なのか蚊なのかで意味合いは大きく異なります
飲酒についても飲む量が乾杯の一杯だけなのか前後不覚になるまでなのかで全く違います
ほかの戒についてもさまざまに大きな程度の差が考えられます

もっと丁寧な問いのたて方をしないと五戒で人を観ることは無理です
たとえばこのように考えたらどうでしょうか?

まず各戒がどの程度守られているか具体的に5段階に分けます

①不殺生戒 殺さない⇒殆ど殺さない⇒蚊を殺す⇒食用動物を殺す⇒人を殺す
②不偸盗戒 盗まない⇒殆ど盗まない⇒鉛筆を盗む⇒自動車を盗む⇒他国を盗む
③不邪淫戒 不倫しない⇒殆ど不倫しない⇒らしきことをする⇒稀に不倫する⇒不倫している
④不妄語戒 嘘をつかない⇒殆ど嘘つかない⇒稀に嘘をつく⇒些細な嘘をつく⇒大嘘をつく
⑤不飲酒戒 飲まない⇒殆ど飲まない⇒飲んでも乱れない⇒飲むと乱れる⇒アル中である

そして戒が完全に守られていれば0点を全く守られていなければ4点を付けます
グレーゾーンはその程度に応じて1点から3点を付けます
各戒について採点してその点数を合計します

このようにして自分自身や任意の他者の倫理的な行動の度合いを観るのです
いかがでしょうか?



2022年10月14日金曜日

『私たちはなぜ犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか』 メラニー・ジョイ

カーニズム(肉食主義)の問題を世に知らしめようとする本かな?
自分からは手にしない類の本です
ペスカタリアン(魚介類は食べる菜食主義者)の友人に「読んでみて」と渡されました

友人は若いとき自らの食志向を周囲から揶揄された苦い経験を持っています
この本を読み自分のあり方に誤りはなかったと勇気づけられたと言います

著者は社会心理学の方法でカーニズムの否を論難しています
ざっくり言えば
「人と同じように愛情を持っている動物を殺して食べてはいけない!」

肉食を厭わない私はこの本を読むほどに窮地に追い込まれていきました
かわいそうな食用動物を食べていいのか?
ノー天気な私の食生活の運命やいかに!

幸か不幸か読後も自身の食生活を変える必要までは感じていません
牛ステーキを食べる量をこれからは少し減らしてもいいかなとは思います
そしてこんな景色が明瞭に思い浮かびます


ある日のサバンナ
ヌーの大群が草を食んでいる
それを草陰から狙うメスのライオン
素早い身のこなしで一頭のヌーを難なく仕留めました

まもなく藪から数頭の子ライオンがバラバラと姿を現しそのヌーにかぶりつき始めました
腹を満たしたライオン親子がそこから去るとすかさずハイエナやハゲワシがやってきました
やがてヌーは骨だけになりました

昔はこの景色の中におどおどとしたヒトの影がありました
ときにはライオンの食べ残しを頂戴したことも

いつの頃からかヒトの姿がほとんど見えなくなりました
森を離れてどこかへ行ってしまったのです

いまヒトはアフリカの森でのあの暮らしのことをすっかり忘れてしまいました
まいにち食べるものを求めてきゅうきゅうとしていたあの日々を

ヒトはいま議論を事にしたり肉を食い散らかしたりして好き放題です
森から遠く離れて・・・


個々の人の肉食の実態ってじっさいどのようなことになっているのでしょう?
人は夥しい数の食用動物を劣悪な環境下で飼育し屠殺し解体し食べています
その食肉の消費を人毎に把握してみてはどうだろうか?
同じヒトとはいえ人によってその消費量が天と地ほど違うでしょう

いまグローバリズムの嵐が多彩な食文化の存続を脅かしています
まだ地球上にはあちこちに暮らしに根差した個性的な食生活がなんとか存在しています
肉食はその中に色モザイクのようにちりばめられています
そのかけがいのない文化をカーニズムと一緒くたにして議論してはいけません

この頃は国内でも極端な焼肉好きとかスウィーツ好きとか見かけます
何かそれが食生活の頂点にあるみたいな勘違いです
そのような人たちにこの本は向いています

ヒトのDNAは大昔のままです
ヒトが脂肪や甘いものに目がないのはそのDNAの命ずるところです
そのDNAを書き換えられる技術は既に存在します
カーニズムの人のDNAを書き換えることは可能になっています
そうしますか?

いま欲望の時代を生きている私にはもっと広い展望がそれこそ欲しい

産業革命以前にはカーニズムだけでなくいま存在する他の多くの欲望は伏せられてきました
多くの人々が多くの物を手に入れられるようになって欲望というパンドラの箱が開きました
カーニズムはそのような人間生活の根本的な変化から生まれたものの一つです

なぜそのような変化が生じたのか?
欲望はどのように暴走しているのか?
暴走はどうしたら止められるのか?

ヒトの滅亡が刻々と現実味を帯びてきたいま知りたいのはそのことです

2022年10月8日土曜日

『基礎からわかる論文の書き方』 小熊英二

論文というのは相手を論証で説得する技法から発達したそうです
その源をたどると古代ギリシャのアリストテレスに行きつくとか
ニコマコス倫理学のアリストテレスです
その技法は ①主題提起 ②論証 ③主題の再確認でした

この型の論文はアメリカ式と言うそうです
別にフランス式というのがあってその展開の仕方が興味深いです
対立する見解を示しながらそれらを止揚してそのどちらとも異なる見解を出すのだそうです
アメリカ式のように自分の主張を一方的に論証するだけではないのです

小熊さんは論文の書き方は学問研究だけでなく実社会にも応用できると何度も言っています
自分の経験に照らしてその通りだと思いました

わたしは日本の手仕事を次世代へ伝承することを目的としたブログを書いています
「藁竹茅」といい藁細工と竹細工と茅葺きの3つを主題にしています
それぞれの作品の製作過程を写真や動画に説明文をつけて公開しています

そのブログ記事を作成する際のスタンスが数学などの科学と同じであることに気がつきました
つまり
①どういうプロセスでやったのかを公開する
②それに異論があったら再びやってみる
③その繰り返しで定着したものをみんなで共有する
④そのうえでさらに工夫をする

「科学と『魔法』はどこが違うか、明らかです。魔法はプロセスを公開しません。魔法では、プロセスを秘密にし、結果だけ見せて『すごい』と思わせます。それに対し科学は公開が原則で、誰でも疑っていいし、お互いに批判や対話しながら進歩できます。」P.76

知らず手仕事を科学していたのかとちょっと快感です

2022年9月25日日曜日

一行レシピ リンゴジャム

皮剥き芯取り銀杏切り塩水漬け、砂糖加え中火あく取り弱火60分火止めレモン汁加え瓶に入れ
1瓶400gで4瓶できました
サンつがる 1.6㎏@400、砂糖 640g@150、レモン1個@100、塩大さじ1


一行レシピ レモン汁


レモン1個を電子レンジに入れ500Wで30秒温め半分に切り手で絞る

2022年9月21日水曜日

〇的生活

Pelléas et Mélisande 聞き取りノート
人生の棚卸し
7年前に私はそれまで40年近く勤めた大学職員の仕事を退職しました
そしてようやく自由な時間をたくさん持てるようになりました
その時間を使って私は「自分の可能性を追及する」ことにしました

これまでの60年間の人生では義務的にやっている事が常に多くがありました
それらを取り去って「自分の可能性を追求する」生活をするにはどうすればいいか?
あれこれ長い間「思考」錯誤しているうちにあることに思い至りました

自分がこれまで好きでやってきたことを書き出してみたらどうか?
山登りやスキーから始まって自転車や船頭もやりました
古民家の修復に没頭したし藁細工や竹細工もずいぶんやってきた

これらについて「登山」といったジャンルごとにいつどこで何をしたか書き出してみる
残っている日記や手帳、写真や書類などからかなりのことがわかるはずだ
「登山」であればそれをなぜ、いつ初めてどのような展開があって現在地がどこなのか?

EXELの表に書き出すことにしました
一行が一イベントです
たとえば、

登山 1971年7月 磯子工業高校山岳部 夏期合宿 北アルプス裏銀座コース 初3,000m峰

といった具合です

この表にいろいろなライフイベントも加えていきました
出生から始まり学校への入学と卒業、就職や転勤、結婚や育児などの人生の様々な節目です
これらも一つのイベントを一行で書きました

私のこの表は最終的に1,000行ほどになりました
完成させるのにとても時間がかかりました
大変でしたがやりがいのあることでした

これまで漠然ととらえていた自分の人生が可視化できるようになりました
私の人生はほぼこの1,000のイベントから成り立っていることが分かったのです
このようにして私は自分の人生を棚卸しました

人生の吟味
私はしばらくこのエクセルの表をうっとりと眺めていました
たとえそれが凡庸な人生であったとしても60年間という軌跡はただそれだけで素敵だな、と
そんな感傷が過ぎ去ってから私はこの表をいじくり始めました

エクセルはもともと表計算ソフトなので項目ごとの並べ替えが簡単にできます
たとえば「登山」や「藁細工」という項目のイベントがいくつあるか瞬時にして分かります
さらに「登山」のほかに自分はどんなスポーツに時間を費やしてきたかも分かります

このようにしてエクセルの表をあちらからこちらから眺めてみました
するとそこに私の人生の個性が浮かび上がってきました
私の人生は「あそぶ」と「つくる」に特徴があるのです

私は「藁細工」「竹細工」「茅葺き」という「分野」のことを好んでやっています
これらの「分野」は「つくる」という共通した「行為」として言い表すことができます
また私は「山遊び」「自転車遊び」「海川遊び」が好きです
これらの「行為」はまとめて「あそぶ」と言い替えられます

この気づきに基づいて自分が大切にしている全ての「分野」を「行為」に置き換えてみました
すると「分野」に相応しい「行為」を表現する言葉がみつかりました
「つくる」「あそぶ」以外には
「いやす」「かたる」「くらす」「さとる」「つたえる」「のこす」「むつむ」

これらたった9つのことばで私の「生活」の全ての「行為」がカバーされるのでした
頭の中でモヤモヤしていたものがスッと引き出しに納まっていくような感じでした
私はわずか9つの「行為」で表現される世界で毎日生きているのです

さらに9つの「行為」を3つずつまとめて3つの「~的生活」に集約できました

こうして私の「生活」は「~的生活」⇒「行為」⇒「分野」と階層的に整理できました
自分の「生活」のとらえ直し=人生の棚卸しができたのです

「生活」のフレーム
人生の棚卸しをしたことで私の「生活」には一定のフレームがあることに気がつきました

私の「生活」は「物的」「心的」「体的」の3つの「生活」から成り立っています
それぞれの「分野」はさらに3つの「行為」から成り立っています
それぞれの「行為」はさらに3つの「分野」から成り立っています
                                       
               行為 分野、分野、分野
          物的生活 行為 分野、分野、分野
               行為 分野、分野、分野

               行為 分野、分野、分野
     私の生活 心的生活 行為 分野、分野、分野
               行為 分野、分野、分野

               行為 分野、分野、分野
          体的生活 行為 分野、分野、分野
               行為 分野、分野、分野

「~的生活」⇒「行為」⇒「分野」と階層的に3つずつに細分化しています

3つへのこだわり
私があえて3つという数にこだわっているのにはいくつか理由があります

まず無理なく満足度の高い「生活」を送るには「行為」や「分野」を限定する必要があります
限られた知力・体力や資産で1日24時間、1年365日にできることは自ずと限りがあります
3つというのは多くも少なくもなくちょうどいい感じです

また一般的に言って3という数字は座りが良く生活に安定をもたらすと考えられます
写真の三脚は3つの足で安定しますし「三人寄れば文殊の知恵」などと昔から言います

さらに私の名前の中に入っている3はラッキーナンバーだと信じています

人によって「~的生活」「行為」「分野」が必ずしも3つには限らないのは当然です
それより多くも少なくもありえるので誰もが3にこだわるという必要はないと思います

「物的生活」
以上のように整理した私の「生活」の中身を具体的にお話しします

「生活」の第一は(順番にとくに意味はないのですが)「物(もの)的生活」です
「物的生活」は「つくる」「くらす」「のこす」の3つ「行為」から成り立っています

何を「つくる」のかというと「藁細工」「竹細工」「茅葺き」の3つの「分野」の物です
それぞれの手仕事の内容は私のブログ『藁竹茅』を見ていただければお分かりになります

「くらす」は生活するうえで避けて通れない「諸事」「衣食住」「経済」です
これらは物と切り離すことのできない分野です
今ここで書いていることは「諸事」に含まれるライフスタイルです
どのようなスタイルで暮らすかによって物の所有の仕方が決まります

そして「農家」「町家」を一軒ずつ「車」を一台だけ「のこす」ことにしました
これらのことはブログ『一入亭日乗』に綴っています
以上が私の「物的生活」です

「心的生活」
「生活」の第二は「心(こころ)的生活」です
「心的生活」は「かたる」「さとる」「つたえる」の3つの「行為」から成り立っています

心は言葉を「かたる」ことによって開かれます
「日本語」「英語」「フランス語」で自在に「かたる」ことができる自分を目指します
「日本語」は読み書き話すことを洗練させます
「英語」と「フランス語」は言語の学習とそれをじっさいに使うことです
冒頭の写真はフランス語学習の一場面です

「読む」「見る」「聴く」ことで世界の諸相を「さとる」ことに努めます
「読む」は本、新聞、まれにネットの記事などです
「見る」はテレビや映画など
「聴く」はネットやラジオです

これらによって得た知見を生活全般を通じて学んだことと合わせて人に「つたえる」のです
余計なお世話にはならないように注意しています
「つたえる」ためのツールが3つのブログ『一入亭日乗』『藁竹茅』『人力遊山記』です

「体的生活」
そして最後が「体(からだ)的生活」です
「体的生活」は「あそぶ」「いやす」「むつむ」の3つの「行為」から成り立っています

まず「山」「自転車」「海川」で体を使って「あそぶ」のです
「山」は登山とスキー「自転車」は国内外の自転車ツアー「海川」は船頭やカヌーなどです
これらの分野でやったことをブログ『人力遊山記』で公開しています

こうして「あそぶ」と疲れるのでその他の生活疲れと一緒にそれを「いやす」のです
具体的には「睡眠」「運動」「緩和」でもって癒します

「むつむ」ことはヒトという存在にとってもっとも大切なことです
具体的には「兄弟」「子供」「朋友」とのむつみです
このうち特に「朋友」と「むつむ」ことが生活のための大きなエネルギーになります

私の「生活」
「生活」の「行為」と「分野」を先ほどのフレームに具体的に書き込んでみます

               つくる 藁細工、竹細工、茅葺き
          物的生活 くらす 諸事、衣食住、経済
               のこす 農家、町家、車

               かたる 日本語、英語、フランス語
  私の「生活」  心的生活 さとる 読む、見る、聞く
               つたえる 藁竹茅、一入亭日乗、人力遊山記

               あそぶ 山、自転車、海川
          体的生活 いやす 睡眠、運動、緩和
               むつむ 兄弟、子供、朋友

各「分野」はさらにいくつもの具体的な「活動」から成り立っています
たとえば「いやす」の「運動」ではつぎのような身体的な「活動」をしています

   毎 日 「ラジオ体操」
   隔 日 「自転車散歩」「筋トレストレッチ」
   週一回 「スポーツダンス」

ひとつの「分野」でもこれだけの「活動」をしているのです
全ての「分野」の全ての「活動」を網羅するととても多種多様になります
それら全ての「活動」において自分の能力を進展させる機会が持てます

何かの「活動」を通じて新たな能力を見出すと「生活」の満足感が高まり質が向上します
そうかといってあまりに多くの「活動」をし過ぎると全てが中途半端になってしまいます
ただ忙しいだけで満足感はえらず「生活」の質はいつまでたっても向上しません
このことがあるので「行為」や「分野」の数を適度に抑える必要があるのです

私の「生活」の実際
「生活」は「活動」を最小単位として行っています
1日24時間のあいだかならず何かの「活動」をしています
とくに予定のない日は朝にその1日どんな「活動」をするか決めます
「活動」の配分はこれまでの経験をもとに適当に決めています
このことについてはまた別の機会にお話ししたいと思います

的生活」の今とこれから
今このように行っている生活を「〇的生活」と呼んでいます
特定の行為に偏らない生活でありまた曼陀羅のように円い生活でもあります
その中で自分の様々な「物的」「心的」「体的」能力を可能な限り引き出そうとしています
この「〇的生活」がうまく回っていくことが今の自分にとってもっとも大切なことです

                  くらす
                    
              つくる        のこす

             かたる  さとる  つたえる
 
              あそぶ     いやす

                  むつむ

                〇的生活の曼陀羅

「〇的生活」を意識的に行い始めて3年ほどたちました
全体的なフレームに違和感はありませんし副作用もありません
現在のところその達成度を感覚的に自己評価すると100点満点でまだ59点というところです
満点ではなく満足感が得られるようにこれからもやり続けます


2022年9月17日土曜日

『日本詩歌の伝統』川本皓嗣

この方は七五調で詠われる日本の詩歌の特色として三つのことを指摘しています
専門用語でなく言えば「決まりことば」と「俳句のことば使い」それに「音のリズム」です
この伝統が(私を含め)市井の人々の間に今も深く染み込んでいることに驚きます


夏の暑さがまだ収まらないそれでいて秋の兆しを感じ始める頃によく聞くぼやきがあります
多くは女性の「もう夏が終わり秋が来てさびしい」というような言葉です
毎年誰かがこのようにぼやくのを私は聞いてきました

「秋はさびしい」ともう1,000年以上も前から日本の詩歌に歌い込まれています
ずっと昔から秋はさびしいものと詩歌の世界では決まっているのです
景気のいい秋とか華々しい秋というのはこと日本の詩歌ではありえないのです

この決まりごとは長い間に詩歌の世界だけではなく一般庶民にも浸透しました
何しろ名歌はことごとく「さびしい秋」を歌っているわけですからみんなそう思うわけです
秋はさびしいものなんだなと

四季折々が好きな私でもススキの穂が出始めたのを見て「さびしい」と思うことがあります
もう秋になってしまったと


俳句はとりわけ芭蕉に惹かれます
芭蕉に惹かれない人の方が少ないのではないかと思うので珍しいことではありません
芭蕉のことば使いはとても面白いので私も時々真似して駄句をひねり出しています
恥を忍んでそのいくつかを掲げてみます

この道や行く人無しに秋の暮れ 芭蕉
オサカナのオの油濃き秋の暮れ 一入亭
あらたふと青葉若葉の日の光  芭蕉
あらたふと暮らしに活きるetc. 一入亭
旅に病んで夢は枯野を駆け巡る 芭蕉
手仕事を御師に枯野を愛で歩き 一入亭

俳句というより川柳になちゃってますがこんな具合に使わせていただいています
言葉で遊ぶというのはとても面白いものです
こんなことができるのも多く残された秀逸な詩歌があればこそです


最後に音のリズムです
これはもう独特のものでこの良し悪しで詩歌のイメージは根本的に変わってしまいます
というのも七五調の詩歌にはそれを朗誦するルールがあるからです

今はだいぶ廃れてしまいましたが数十年前は正月に百人一首で遊びました
その中で七五調の詠み方が伝えられたのです


このような日本詩歌の伝統は人々の間に今もかろうじて息づいています
ところが昨今のことを考えるとちょっと気持ちが暗くなります
みんなゲームばっかりやってるから日本詩歌の伝統は早晩消えてしまうのではないかと

そう思うのは早とちりであることを願います
そして誰かがこの本とはまた違う視点から伝統の在り処を探し出してくれるとうれしいです

きっとそうあってほしいと願いつつ箸をではなくペンをおきます
というかキーボードを打ち止めにします
(最後のフレーズがしまらなくて残念です)

2022年8月26日金曜日

『カタルーニャ語 小さなことば 僕の人生』 田澤 耕

奢らずに正直に感謝とユーモアをもって人生をこのように一冊の本とした例を他に知りません
人は(というか私は)得てして自分の人生を粉飾したり感動めかしたりしたくなるものです
そのことは第三者にすぐにはっきりと分かります
この本にはそのようなものが感じられませんでした

この人の人生にとってはカタルーニャ語との出会いが決定的だったと思います
その出会いを可能にしたのはこの人のそれまでの積み上げです

外国語とくに英語が好きだったこと
とにかく海外へ行きたいと思って職業を決めたこと
その職業が銀行員だったこと

そしてカタルーニャ語に出会った後はひたすらに駆け抜けて行ったのでした
カタルーニャ語を研究するだけでなくカタルーニャ文化の紹介までしました
その業績の広範で多量なことには驚かされます

この人の業績について比較できる人がいません
カタルーニャの言語と文化について彼のようなことをした人は他にいないからです
同じことは他の誰にもできなかったのです

カタルーニャ語とカタルーニャ文化について同じことをする意味はもうないでしょう
でもほかに対象はいくらでもあると思います

自分の興味が湧くものと出会い興味の赴くままに突き抜けて行くこと
そのような人生のほかにどのように善いものがあるのでしょうか?

2022年8月22日月曜日

Recette de miso pour Dominique

Ingredients:  Riz 4.5kg,  Moisissure koji 9g,  Soja 4kg,  Sel 2kg

1. Faites tremper les graines de soja lavées dans de l'eau pendant une journée, puis faites-les bouillir pendant 2 heures.

2. Faites tremper le riz lavé dans de l'eau pendant 15 heures, puis faites-le cuire à la vapeur pendant 40 minutes.
3. Mélangez la moisissure koji dans le riz cuit à la vapeur lorsque le riz est refroidi.

4. Laissez le riz koji fermenter dans une pépinière pendant une journée à 37 degrés Celsius.
5. Mélangez le sel dans le riz koji refroidi.
6. Mélangez le riz koji salé dans des graines de soja bouillies.
7. Écrasez-le avec un hachoir et mettez-le dans un tonneau.

8. Saupoudrez 200 g de sel sur la surface et recouvrez-la d'un film plastique.

9. Conservez le tonneau dans un endroit frais et sombre pendant au moins de 6 mois.

2022年8月3日水曜日

KCF いまどき川越の栄養食配給所

川越にはかつて栄養食配給所というものがありました
旧栄養食配給所 川越市松江町 写真埼玉新聞
ここは織物工場の労働者に食料を提供をするために昭和の初頭に設けられたものでした
敗戦とともに閉鎖されましたが建物とかまどだけは保存されていました
現在復元のための工事が行われており来年には完了する予定です

栄養食配給所があった場所の向かいに小江戸カントリーファームキッチン(KCF)があります
KFCと混同しがちですがKCFです
KCFはわたしの考え出したすばらしい略称で正式には小江戸カントリーファームキッチンです

このKCFのお弁当をわたしは週三回ほど昼に食べています
KCF弁当(小)
KCFは親子4人の家族経営で店舗はビュッフェスタイルのレストランと青果店を兼ねています
野菜と果物の間を通りこぢんまりとした店内に入るとところ狭しとおかずが並んでいます
奥が厨房でその隣の階段を上がったところが食事スペースになっています

メニューは洋風・エスニック風・中華風の炒め物、パスタ、カレー、半熟卵焼き、サンドイッチ、サラダ、煮物、漬物、フルーツ、それに白飯や炊き込みご飯など
これらはフランス料理店で経験を積んだ息子さんが心を込めて作ったものです
奥さんと娘さんがいつも笑顔で接客していてご主人はここぞという時に登場します

お弁当箱のオリはサイズ小540円(税込み)からです
わたしは最初メニューの多さに戸惑ってしまい店の人にオリに詰めてもらっていました
半年ほどしてようやく要領が分かるようになったので自分で詰めることにしました
その方が自分の好きなものを好きなだけ詰められますからね!

もう何年もKCFのお弁当を食べ続けていますが全く飽きがきません
いつも手作りの美味しさにあふれていて食べるたびに感謝の気持ちが湧いてきます

栄養食配給所とKCFとは何のつながりもありません
通底するのは栄養の行き届いた食事を時空を超えて川越の人々に提供しているという点です

KCFはいまどき川越の栄養食配給所なのです

2022年8月2日火曜日

『70歳が老化の分かれ道』 和田秀樹

この人が書いた『六十代七十代 心と体の整え方』という本を半年ほど前に読みました
その時たいそう驚いたことがありました
本のはじめからおわりまで接続詞が頻出するのです

「ところで」「ただ」「ともあれ」「いずれにせよ」といった紋切り型の接続詞です
これらが雨あられと文章(段落)の始めに出てくるのでとても気になりました
本の内容よりも出てくる接続詞の使われ方にすっかり注意が奪われてしまいました

そしてとうとうこの本にどんな接続詞が何回使われているか調べてみることにしたのです
10色の細いポストイットを用意しました
それを出てきたすべての接続詞の隣に貼り付けました

「ところで」は赤、「ただ」は黄、「ともあれ」は緑、といった具合に色別にしてです
全部貼り終えてそのきれいだったこと
そして200ページほどの本の文頭に接続詞が228個使われていることが分かったのです!
この調査の結果この人は接続詞を頻用する人だということが鮮明に記憶されました
(肝心かなめの本の内容はちょっとよく覚えていません)
なのでこの人の次回の本にはいくつの接続詞が登場するのか楽しみにしていました

そしてこの本が刊行されたのでさっそく川越市立図書館で借りて読もうと予約を入れました
ところがなかなか順番が回って来ません
これはきっとみんな接続詞を数えるのに時間がかかっているのだと思い楽しみに待ちました

予約してから数か月たちようやく本を借りることができました
それがです
読んでみたところ接続詞がちらりほらりとしか出てきません
というか前の本に比べるとほとんど出てこないといってもいいでしょう

おかげで文がとても読みやすく内容が頭にすっと入って来ました
それにしても紋切り型の接続詞が頻出した前著と比べてこれはいったいどうしたことか?
その理由を考えてみました

今回の本は前の本とは別の出版社から刊行されています
なので本の編集を担当する人が変わったのはたしかです
すると編集担当者の接続詞に対する考え方の違いによってこうなったのかなと想像できます

前の本の編集担当者は接続詞を多用した方が論旨が明確になると考える人だった
それで「先生、接続詞をたくさん使った方が普通の人には分かりやすいですよ」と言った

今回の本の編集担当者は文意を明確にすれば論旨は自ずと明らかになると考える人だった
そして「先生、やたらと接続詞を使うのはうざいですよ」なんて言った

奇しくも接続詞について対照的な考えを持つ編集担当者二名によりこれらの本は生み出された
このように思量できます

他方この著者が接続詞の使い方を意図的かつ劇的に変えたという可能性も否定できません
そうも考えられるのですがこの2冊だけの比較では断定できません
この点は今後の課題とさせていただきます

前置きが長くなりました
この本についてです

人生の「最後の活動期」である70代の過ごし方がその後の分かれ道です
80代90代はもはや活動期ではなく完全な「老い」の期間なのです
この「老い」の期間のあり方を左右するのが70代の過ごし方です
70代以前に始めた習慣は80代以降も生涯にわたって続きます

「老い」の期間を健やかに過ごすためには二つのことが重要です

ひとつは脳の機能の老化を食い止めていかにして若さを保つかということです
体の中で脳だけは原則的に新しい細胞をつくらない臓器です
脳の神経細胞は細胞分裂をしないので同じ細胞がずっと使われます
脳の神経細胞の老化によってアルツハイマー病などを発症します

もう一つは70代までに持っていた運動機能をいかに長持ちさせるかということです
70代が来る「老い」に備えることができる最後のチャンスなのです
70代で運動機能の維持のために努力したかどうかが80代以降大きな差になって現れます

身体の健康はある程度保てても脳の健康はそのようには保てません
脳機能の老化はすでに70代になる前から進行しています
70代になると「意欲の低下」が進み活動レベルが低下してきます
「意欲の低下」は前頭葉の老化と男性ホルモンの減少が主な原因です

前頭葉とは大脳の前方部分で意欲、思考、創造などに関わっている部分です
男性ホルモンは性機能だけでなく他者への関心や意欲にも関わっています
これらを若い時のように維持すれば日常の活動レベルを保ち老化を遅らせることができます

老化を進めないためにできること
・一生続けられるような仕事を持つ
 ⇒農業、漁業、職人など
  ただしお金や効率だけを求めない
  自分の知識や経験を生かし誰かを助け社会の役に立つ
・仕事以外の社会参加の機会を持つ
 ⇒町内会の役員、マンションの管理組合の役員、趣味の集まりの役職、ヴォランティア
・運転免許証を返納しない
 ⇒生活環境の大きな変化が運動機能や脳の働きを廃れさせる
・肉を食べる
 ⇒肉にはセロトニン(別名「幸せ物質」、意欲低下の抑止に働く)の材料となるトリプト
  ファンが多く含まれる
  肉には男性ホルモン(特にテストステロン)の原料になるコレステロールがたくさん含
  まれている
  男性ホルモンが減少すると性機能だけでなく活動意欲が低下し元気のない「しょぼくれ
  た老人」になる
  コレステロールは動脈硬化を促進し心筋梗塞のリスクになる
  世界全体で見ると心疾患が死因のトップなのでコレステロールは悪者である
  日本の疾病構造は心筋梗塞の10倍の人ががんで亡くなるという特異なものである
  むしろコレステロールを摂らないことによる男性ホルモンの減少を恐れるべき
・陽の光を浴びる
 ⇒セロトニンは光を浴びるとたくさんつくられる
  うつ病の人にはセロトニンが不足している
  セロトニンによって脳内にメラトニン(別名「睡眠ホルモン」)がつくられる
  メラトニンが増えると快眠でき不安感が取れてうつ病の予防になる
・変化のある生活をする
 ⇒外に出かける用事を生活の中に組み込む
  散歩のコースを週に一度は変える
  新しい店に行ってみる
  いつもとちがう作家や別のジャンルの本を読む
  週に一度はつくったことのない料理をつくる
・アウトプット型の学習スタイル
 ⇒本を読んでインプットするより会話などのアウトプットの方が前頭葉は活性化される
  独学はせずスクールやサークルに入って学ぶ
  得た知識をこれまでの経験や他の知識を使って加工し「自分の考え」として述べるとき
  に前頭葉は活性化される
・あまり激しくない運動
 ⇒散歩、太極拳など
  エレベーター、エスカレーターを使わない
  若いときから続けているスポーツをできる限り続ける
・転倒リスクを減らす
 ⇒元気なうちから自宅室内の動線に合わせて手すりなどを設置しておく
  服用している薬を見直し薬の副作用によるふらつきをなくす
・ダイエットしない
 ⇒メタボ対策は虚血性心疾患が死因のトップであるアメリカでは有効
  日本の死因で多いのはがん
・おいしいものを食べて免疫力をアップさせる
 ⇒食べたいものを食べておいしいと感じることが免疫機能を高めてがん予防になる
・お酒に注意
 ⇒特に一人酒は酒量が増えやすくアルコール依存症になるリスクが高い
・好きな相手、楽しい仲間、若い人とつき合う
 ⇒人づき合いをしていると男性ホルモンが少しずつ増えてくる
  言いたいことが言い合える相手との交流は前頭葉の活性化に最適である
  人づき合いが嫌であればSNSなどで他者と関わる
・苦しければ苦しいほど大きな成果が待っているという考え方から解放される
・いま飲んでいる薬を見直す
 ⇒薬でいわゆる「正常値」まで血圧や血糖値を下げてしまうと身体もだるくなり頭がボー  
  っとした状態になってしまう
・健診より脳ドック、心臓ドックがおススメ
 ⇒心筋梗塞や脳梗塞をほんとうに予防したいのなら
・不眠、不安、食欲不振、意欲低下など心の不調はうつのサイン、精神科・心療内科へ

「70代の危機」=退職、介護、死別、うつを乗り越える
・定年後の喪失感の克服
・趣味は働いているうちにつくる
・介護を生きがいにしない
 介護は恰好の時間つぶしになる
・在宅介護より在宅看取りという選択
 最後ぐらいは病人の好きにさせる
・配偶者や親との死別を乗り越えて生きる
・うつのサインを見逃さない

本書のしめくくりのことばです
豊かな人間関係こそが晩年を幸せなものにする
歳をとってやさしくなることが幸せへの近道

読後感
その一
わたしたちは
多少のリスクは承知のうえで毎日をどれだけ生き生きと生きるか
それとも
長生きできるかもしれないと思いながらしょんぼり生きるか
どちらかを選ぶことができます
わたしは迷いなく前者を選びます

その二
わたしはもっと若い人たちとつながりを持ち
彼らが考えやろうとしていることを理解しようと努め
自分の経験や知識が役に立つなら彼らに惜しみなく
それを差し出したい

2022年7月23日土曜日

一行レシピ トビウオの天日干し

背開きの血合いを洗い塩水(1Lの水に塩70g)に1時間漬けて再び洗い身が乾くまで干す 

2022年7月19日火曜日

草刈り

土手に咲いたやまゆり
今年は茅屋根の修理が終わった5月25日に一回目の草刈りをざっとやりました
それからあれこれあってなかなか山に来られず今日やっと二回目の草刈りをしました

どれほど草ボウボウになったかと思って来ましたが草丈はあまり伸びていませんでした
雨降りが多く日があまり照らなかったせいでしょうか
草の密度が濃くて草刈り機を振り回すのが難儀です

雨の止み間を見つけて三時間近くで刈り終わりました

2022年5月29日日曜日

海外旅のロジ 出発当日

車で成田空港へ行く場合 

1) 飛行機の出発時刻の6時間前に自宅を出る 

2) 駐車場へ行く

3) 荷物を下ろし車を渡す 

4) 駐車料金は現金で前払い 

5) 駐車場の送迎車で空港へ行く


2022年5月28日土曜日

海外旅のロジ 出発前日

段ボール箱に入れる場合はこの状態で
❶受託手荷物
0) 航空会社が許容する大きさ・重量を調べる(エミレーツ 三辺合計300㎝、28㎏)

1) 逆さまにしてタイヤの空気を抜く

2) ペダルを外す 右は正ネジ、左は逆ネジ

3) タイヤ・フェンダーを外す

4) エンド金具を付け、変速機を段ボールで養生する

5) 元に戻しハンドルポストを抜き本体と平行にする

6) 輪行袋にフレーム、ついでタイヤを入れる

7) クッションとして軽いものを隙間に詰める

 寝袋、エアマット、衣類など

8) バンドでフレームと本体を縛る

9) ツールセットをガムテープで自転車に貼付け

10) ヘルスメーターで計量 制限重量に注意

11) 輪行袋(航空会社によっては段ボール箱)に入れる


❷機内持ち込み手荷物

0) 航空会社が許容する大きさ・重量を調べる(エミレーツ 55×38×20㎝、7㎏)

1) リアバッグ1つに他のバッグ3つを入れる

2) 荷物をできるだけ詰める

3) フタをする

4) ヘルスメーターで計量 制限重量に注意


手回り品

1) フロントバーバッグを手回り品とする 

2) 貴重品等を入れる 

3) ナイフ、液体ボトル、ライターは入れない

4) バッグのマグネットに時計やカードを接触させないよう注意!


2022年5月25日水曜日

差し茅 十二日目

足場を解体し道具を片付け茅屑を燃やして今年の茅葺きが終わりました
一入亭の茅葺き修理(差し茅)2022年春
<箇所> 主屋正面左半分
<面積> 20㎡ (残り修理面積=231-120=111㎡)
<期間> 4月26日~5月26日(実際の作業日数12日)
<作業> 茅拵え  4日
     足場建て 0.5日
     差茅   5日
     刈込み  1日
     足場撤去 0.5日
     片付け  0.5日
     合計   11.5日(1日の実働は6時間)
<道具> 梯子(大、中、小)、足場丸太(三間15本、二間6本)、足場板、シノー
     屋根鋏、鎌(大、小)、ヘラ、ガンギ(長、短)、茅ブランコ、差し茅定規、
     ウマ 2台、竹箒、ヘッジトリマ―、シート
<材料> 差し茅 102束(二尋の荒縄で二重にしばった太さ)、箱番線 30本
     荒縄二尋 100本、ポリエチレン紐(太さ8㎜と6㎜)
<考察> 出来は「中」
     天候に恵まれ作業が順調に進んだ
     立てた足場丸太が長すぎて軒先にかかってしまった
     屋根面が大きいので小さな凹凸ができてしまった
     茅が足りなくなったので上部の幅を狭くして修理面積を減らした
          

2022年5月24日火曜日

差し茅 十一日目

週末に雨が降って葺いたばかりの茅が濡れました
朝から日が差しているのでおいおい乾くでしょう
最上段から差した茅を整え刈込み足場丸太を外していきます
昼までに半分終了
夕方までに最下段まで終わらせました
下半分は日影に入ってしまい良く見えませんが

2022年5月20日金曜日

海外旅のロジ 出発1週間前

❶自転車と携行品の準備
<ウェア>
サイクル・ジャージ(ショート)×2
サイクル・ジャージ(ロング)
サイクル・パンツ(ショート)×2
パーカー
レインパンツ 

ショーツ×2 

ソックス(5本指)×2

ポンチョ

サングラス 

SPDシューズ 

Tシャツ (ロング、ショート)

ショートパンツ 

ワラーチ

パナマ 

ジーンズ

ポロシャツ

<バイク>

フロントキャリア 

リアキャリア 

ポンプ 

輪行袋(エンド金具込み)

ツールセット 

パンク修理セット

ボルト・ナット

クリートレンチ

チューブ

潤滑油

作業手袋

ハンドルバーバッグ

フロントパニアバッグ×2

リアパニアバッグ×2

ワイヤーロック(ロング、ショート)

ヘッドライト

サイクル・コンピュータ

サドルカバー

<日用品>

ウェストポーチ

パスポート

財布(円と現地通貨込み)

カード(デビット、クレジット、要制限チェック)

免許証+キー+ETCカード

航空券

カメラ+アダプタ+バッテリ

ガラケ+アダプタ

トークマスター

コンセント(三又、ヨーロッパ用) 

ノート+ペン 

医薬品

ポケティッシュ

石鹸

速乾タオル

カミソリ

洗濯ロープ+洗濯バサミ

レジ袋各種

ナップサック

<キャンプ用品>

テント

グランドシート 

寝袋

エアマット

アルミテーブル

折りたたみ椅子

ガスバーナヘッド

ウィンドスクリーン

クッカーセット

フォーク+スプーン+ナイフ

肥後守

チタンカップ

タッパーウェア

塩・胡椒

ボトル

ガスカートリッジ

❷空港の駐車場を予約
旅行期間中に自分の車を空港駐車場に預けておく場合
成田空港 
アラジンレンタルガレージ
0476‐33-0600 成田市取香530‐25