いろいろと参考になることが書いてありました
読んでいるあいだじゅう引っかかり続けたことがありました
段落の始めにたびたび接続詞を使われているのです
接続詞は文章の流れを分かりやすくするために用いられるものです
それを文章のあちこちに使うのは分かりやすくするための親切なのかもしれません
これにも限度があり雨あられと使われたのではかえって読みにくい文章になります
この本に頻出する接続詞は「しかし」「なお」などの一般的なものに限りません
「いずれにせよ」「ちなみに」「ともあれ」といったちょっと癖のある(とわたしは感じます)いろいろな接続詞が段落の始めに頻繁に登場するのです
ここまで接続詞だらけの本は珍しいと思いました
そこでこの本の段落の始めにしばしば登場する接続詞の数を数えてみました
本文が200ページほどですのでほんの軽い気持ちで始めました
「ところで」 25回(転換)
「ただ」 23回(補足)
「ともあれ」 22回(添加・累加)
「いずれにせよ」20回(添加・累加)
「さて」 19回(転換)
「しかし」 16回(逆説・対比)
「ちなみに」 15回(補足)
「なお」 15回(補足)
「一方」 13回(対比)
「また」 12回(並列)
以上がこの本に頻繁に登場する接続詞のベスト10です
いかがでしょうか?
「ともあれ」「いずれにせよ」「ちなみに」などという比較的インパクトのある接続詞がページをめくるたびに出てくるのです
これはすごく気になります
それに加えて「ただ」「さて」「しかし」などの軽い(?)接続詞もたくさん使われています
ひとつひとつは軽くてもそれを続けざまに使われるとこちらは相当なダメージを受けます
なんと2ページに渡って全ての段落が接続詞から始まる箇所さえありました
この本にはほかにも「このように」「したがって」「それでは」(以上順接)「けれども」「それでも」「とは言え」(以上逆説)「さらに」「それに」「それはともかく」(以上添加・累加)「一般に」(言換え・例示)「そもそも」「もっとも」(以上補足)などいろいろな接続詞が繰り返し登場します
この本には段落の始めに接続詞が228回も使われていました
それ以外にも「そうは言っても」「さらに言えば」のような接続詞的な表現が使われているケースが多々ありました
接続詞の種類としては補足、添加・累加、逆説が多いようです
このことから和田秀樹という人がどのような気持ちでこの本を書いたのか考えてみました
おそらく戸惑いや不安を抱えた多くの六十代と七十代の方々に心身ともに元気になってもらおうという気持ちからでしょう
この年代の人々の生きる意欲を掻き立てようと思われたのです
そのためには分かりやすくリズムよく語りかけるような文章が望ましいと思われたのではないでしょうか
その結果がこのおびただしい数の接続詞のオンパレードになってしまったのでしょう
わたしは文章を書く際にはめったに接続詞を使いません
接続詞が無くても理解できる文章を書きたいと常日頃思っているからです
その昔に英文のレポートをたくさん書かなければならない時期がありました
レポートを提出する前に必ずネイティブの英語教師のチェックを受けました
そして接続詞の使い方をたびたび注意されました
「接続詞の使用は必要最小限にし使うときは文頭に置かないこと」
論旨の展開がスムーズであれば接続詞がほとんどなくても分かりやすい文章になります
いまだそのような文章が書けるようなっていませんが昔の教えだけは守っています
軽い気持ちで始めたことに本を読むより時間をかけてしまいました
ーー
この本には高年者(高齢者のこと)が日常生活で気をつけることが書かれています
それらの多くは著名人の著作と筆者自身の経験とが元になっています
著名な人の著作
『99歳一日一言』 むのたけじ
「高齢者という言い方は侮辱である、青少年は低齢者か、歴代政府の「侮老」の高齢者政策はみんな落第だ」011
『九十歳。何がめでたい』 佐藤愛子
世の中の理不尽な出来事に毒づき、自分がついて行けないテクノロジーの「進歩」に腹を立て、加齢により次々と怒る体の不調を嘆き、といった内容がウィットに富みユーモアに溢れた文章で綴られています。020
『神経衰弱と強迫観念の根治法』 森田正馬
「あるがままでよい、あるがままよりほかに仕方がない、あるがままでなければならない」084
『鎌田式「かかと落とし」と「スクワット」』 鎌田實 143
『資本論』 カール・マルクス
娘のジェニーから「好きな言葉は何?」と問われたマルクスは、「すべてを疑え」と答えました。彼の人生観を表現した言葉です。それは「常に自分の頭で考えろ」ということに他なりません。176
『患者よ、がんと戦うな』 近藤誠
『やってはいけない健康診断』 近藤誠・和田秀樹
近藤先生によれば、最もわかりやすい健康診断の弊害は、胸部エックス線撮影やCT(コンピューター断層撮影)による放射線被ばくです。言うまでもなく、放射線を浴びると発がん率は上昇します。194
筆者の主張
筆者は主張にはエビデンスが重要だと何度も強調しています
ところが筆者の経験論についてはエビデンスが不足している印象があります
会社生活が生活の中で大きな割合を占めるサラリーマンにとって、定年後の環境の激変は精神に直接影響を及ぼします。特に所属願望の強い日本人にとって、会社という「場」の喪失によりアイデンティティの揺らぎを引き起こすことが多々あります。014
団塊の世代は学校でも職場でも爍烈な競争に晒されながら生きてきました。団塊の世代が「競争の世代」とも言われる所以です。そして、その競争環境は日本社会にとって確実にプラスに働きました。039
人間の寿命とは細胞の寿命(細胞分裂の限界)と同義ですから、老化とは時間の経過とともにこの細胞が壊れたり減少したりすることによって、身体が形態的かつ生理的に衰退し、全体の生理機能が低下する現象ということができます。055
鬱病の発症を疑わせる症状としては次のようなものがある。
① 強い憂鬱感や不安感
② 物忘れの頻度が高くなる
③ 思考力や集中力の低下
④ 意欲の減退
⑤ 興味の喪失
⑥ 精神運動制止(体の動きが緩慢になり口数が少なくなったり声が小さくなったりす
る。あるいは逆に焦燥感が強くなる)
⑦ 自分が無価値であるという自信喪失による強い罪責感
⑧ 食欲の減退
⑨ 睡眠障害
⑩ 体重の急激な増減
⑪ 自死願望
鬱病は誰でも罹患する可能性がある病気であり、しかも治る病気なので、疑いのある時は躊躇せず精神科や心療内科で診察を受けるようにしてください。069
ガン予防に効果的とされている事項
バランスがとれて変化のある食生活。禁煙。過剰な飲酒を避ける。塩辛いものは少なめにする。熱いものは冷ましてから食べる。食べ物の焦げた部分は避ける。食べ物のカビに注意する。適度な運動。体を清潔にする。073
我々の生活の中で本当に必要な物はとても少ないはずです。そして「幸せ」という概念はあくまでも相対的な概念であり、考え方ひとつでどのようにでも変化するものなのです。089
目を凝らして周りを見渡せば、「幸せ」はそこかしこに点在しています。そして、意識的に行動すれば金をかけなくても幸福感は得られるのです。090
疎外感を感じやすい人は、周囲の人々に自分を合わせたいという同調圧力を常に抱えています。その一方で、自分という人間を認めて欲しいという承認欲求をも抱えていることから、潜在的にではあれ周囲に対して違和感を覚えた時、自己の内部で深刻なストレスが生じることになります。その結果、アイデンティティは大きく揺らぎ、孤独感にさいなまれることになるのです。094
自分という人間を認め、理解してくれる他者が一人だけでもいると、疎外感は大きく緩和されるはずです。特に高年になると、友と呼べる他者がとても大切な存在だと思う人が多いのではないでしょうか。096
高年世代にとって、心と体の大敵はストレスです。そして往々にしてストレスは「がまんする」ことから生じます。がまんして好感の持てない相手とでも付き合う、我慢して自分の意見と異なる意見に同調する、がまんして既に破綻している夫婦関係を続ける、がまんして買いたい物があっても買わない、がまんしてハードな運動をする、がまんして食事の量を減らす、そうした「がまん」はすべてよろしくありません。大変よろしくありません。152
高年世代の理想的生活のあり方は「心はのんびりと、脳と体は活発に」ということになりましょうか。154
一般に、農業や漁業に従事している人、職人さん、芸術やデザインといったクリエイティブな仕事をしている人など、つまり生涯できる仕事を持っている人は、ボケにくいとされています。180
その際、ポイントとなるのは、収入より自分自身のモチベーションを優先することです。大金持ちになろうとするより、やりたい仕事をしているという充実感を第一に考えるべきでしょう。181
高年になれば、誰でも水晶体が劣化することによって、老眼と白内障がセットになってやってきます。しかし、驚くべきことに現在では老眼も加齢性白内障も、レーシックを主体とする手術によって同時治療が可能になっています。手術時間は、わずか十五分足らずで、視覚の劇的な改善が実現します。もちろん、無痛手術です。184
極端に耳が遠くなったら補聴器の使用をお勧めします。補聴器は昔と比べて小型化し、性能もかなり向上しています。なお、補聴器による聴覚に満足できない場合は、人工内耳を装着する手術もあります。185
たくさん薬を使う研究はしても、薬を減らすという研究はしません。189
患者は「クスリと書いてリスクと読む」というくらいのセンスを持つべきだと思っています。192
体を臓器別に検査する健康診断や特定の部位を検査する検診は、有体に言えば病人を製造するシステムです。193
過剰な運動、過剰な節制、過剰な心配、そうしたすべての過剰は間違いなくストレスを生じさせ、心身に負担をかけます。繰り返すようですが、ストレスは高年世代の大敵であり、老化を促進し寿命を縮めます。アンチエイジングは、あくまで精神的、身体的に負担のかからない限りにおいて有効なのです。203
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