2024年9月4日水曜日

集中力はいらない 森 博嗣

世間の常識として「集中力は大切」というのがあります
ここに偽りがあると自らの経験から解き明かす森さんの本です

まずなぜ世間の人は偽りの常識を信じてしまうのでしょうか?

「空気を読むことで多数派に入ろうと必死になっている人たちは、多数派であることに価値があると信じている」

多数派になりたい人は常識が真実であろうとなかろうとそれは常識だから信じるのです
このような常識は世の中にはたくさんあると直感的に思います

「自分の問題を解決するのは自分であり、自分で考えた手法は、その後も自身の拠り所になる」

わたしは永く勤めた仕事を退職した頃に自分の人生の出来事を時系列で振り返ってみました
具体的には自分にとって大切なライフ・イベントを可能な限りピックアップしたのです
すると記憶や記録に残っているイベントは1,000ほどありました

しばらくある種の感動をもってそのリストを眺めました
あんなこともあったなあ、こんなこともあったなあ、と・・・

その感動が過ぎてから今度はそのリストをもっと冷静に見てみました
すると1,000のイベントの生起にはひとつのパターンがあるような気がしました
そこに自分なりの処世のしかたがあったのではないか、と・・・

それは本当かと問われれば自信をもって「ハイ」とは言えません
言えないけれども自分はこのリストにあるように生きてきたのは間違いないのです
これが「自身の拠り所」なのかもしれません

この「拠り所」についてわたしは『砂のメダイユ』で書いていこうと思います


2024年9月3日火曜日

稲架(はさ)建て

家の南面に掛けた稲架
今日は初めて稲架というものを建ててみました

来週、川島町の農家から藁を大量にもらう予定です
藁細工で使うためです

刈り取ったばかりの藁はまだたっぷり水分を含んでいます
なのでこの稲架にかけて2週間ほど乾燥させるつもりです

材料は直径8㎝の丸竹と太さ6㎜の麻紐です

丸竹は長さ4.3mが4本、3.6mが5本、そして2.6mが3本です
2.6mは縦地、4.3mは横地、3.6mは斜めに立てかける支えに使います

丸竹の十字の部分はハコ縛り、斜めの部分はトックリ結びで麻紐で結束しました
さらにワラの重みで二段目の横地竹がずり落ちないように一段目から麻紐を掛けました
結束した丸竹
1時間半で差し渡し8.2mで二段の稲架が完成しました

あとは藁を縛る麻紐(太さ2㎜、長さ50㎝、135本)を用意して藁をもらう日に備えます


2024年8月26日月曜日

「自分」の壁 養老 孟司


和田秀樹という精神科医が高齢者向けの本をたくさん書いています
和田さんはこのような本を月に(年にではなくて)5、6冊書くというのです
いきおい和田さんの本には内容に甚だしく重複があります

先日読んだ『60代からの見た目の壁』は目新しいところはほとんどありませんでした
ただその中にたしか和田さんの師匠は養老孟司だと書いてありました
(間違えていたら済みません)
それで養老さんの本を読みたくなりました

この本の中で目にとまったのは2か所です

養老さんは現実をしっかりと見るために自然に接することをすすめています
「頭が良くなりたいならば、自然のものを一日に10分でいいから見るようにしなさい」

新潟の一入亭には夏の間に雑草がおびただしく生えます
今日は午前中にそれを2時間ほどながめました
雑草も自然ですよね

雑草をながめたのは草刈りをしたからです
草刈りをしている間にいろいろとりとめもないことを考えました

・ここに生えている草の中には以前よりもツタ類が増えたな
・となりの錦鯉の養殖池の周りはまた除草剤がまかれて草が枯れているな
・あの池を再び田圃に戻したときに除草剤の害はないのだろうか
・道芝が元気に生えているのでこれは来年採取できるよう刈らないでおこう
・このごろはフキよりもシダの方が元気があるな

草刈りをして頭が良くなるのか分かりませんがいろいろ考えるきっかけになるのは確かです

もう一か所は自信の育て方です
人は社会で生きていけばいろいろな問題にぶつかります
その問題から逃げずに取り組んでいけばやがて自信を持つことができると養老さんは言います

「(社会で生きていけば)なにかにぶつかり、迷い、挑戦し、失敗し、ということを繰り返すことになります。しかし、そうやって自分で育ててきた感覚のことを「自信」というのです」

なんか詩的ですてきじゃないですか?

2024年8月21日水曜日

デジタル・ミニマリスト カル・ニューポート

本を読むきっかけはいくつかあります
きっかけとして多いのは、
・新聞の書評を読んで
・本や新聞の記事に言及があって
・図書館に陳列してあって
などです

ひとつふしぎなことがあります
本を読み終わる頃にはその本を読もうと思ったきっかけは大抵忘れているのです
この本もそうでした
ああ面白かった!と読み終わったのに

なんでこんなことにこだわるか分かりますか?
もっともっとたくさん面白い本を読みたいからです
どうしたら面白い本に確実に出合えるか知りたいからです


さてこの本のどこが面白かったのでしょうか?
それはカルの意見には共感するところが多々あったからです

カルはまず自分が人生で何をしたいのかはっきりさせようと言います
そうしなければデジタル・ミニマリストになるのは困難だからです
スマホの虜になってしまうのは他にやるべき大切なことがないからです

人が幸せに生きていくためには孤独の時間が必要です
スマホはその時間を奪ってしまう
その時間を奪い取るのはGAFAです


読んでいて嬉しいことが二つありました

一つは『ニコマコス倫理学』への言及です
わたしのブログのあらゆる投稿を注意深く読んでいる人(わたし以外にいないでしょうけど)
には明らかなようにわたしは『ニコマコス倫理学』の信奉者です

カルがニコマコス倫理学から引用した考えは次のようなものです

「善い人生には、その行為そのものから生まれる満足感以外に何の利益をもたらさないような活動が必要である」

これをカルは「質の高い余暇活動」と呼んでいます
そのような活動に勤しむためにはそれを可能にするだけの原資がなければなりません
それでほとんどの人はまず経済=収入を得ることに没頭します

そして幸運にもそのような原資を手にできたとして没頭する何かはあるのでしょうか?
その何かが無ければその人は「質の高い余暇活動」はできません
利益をもたらす活動に成功したとしてもその後に虚ろな人生が待っているでしょう


嬉しかったことのもう一つは「質の高い余暇活動」として手仕事を推奨していることです
スキルを活かし、物質的な世界で価値あるものを作り出す
デジタルのスクリーンを離れてリアルに何かを形作ること

これはふだんわたし自身が心がけているところです
手仕事に没頭するとスマホなどをいじろうという気が無くなります
得られる満足感がまったく違いますから
もっともわたしはいわゆるガラケーを使っていますからこの問題はありません

そのガラケーを支えている3Gというシステムが2026年で廃止になります
そのためガラケーは使えなくなるそうで迷惑な話です
わたしはガラケーで不便ありませんでしたから

でもカルの書いていることを読んで気が楽になりました
通話とテキスト・メッセージだけが利用できるガジェットを選べばいいだけのことですね
スマホもパソコンも自分の人生の目的に合った最低限の使い方をすればいいのです


2024年5月16日木曜日

差し茅 8年目の7日目

毎年ひと月かけてひとりでやった差し茅が今年は助っ人を得て2週間余りで完了しました!
後中門右側
足場の解体は由香さんに手伝ってもらって1時間もかからずに終わりました
来年差し茅をする予定の屋根にミズミチがあって雨漏りしているのを発見しました
シートを掛けて応急修理しました
あとは草刈りです
いつもの「選択的草刈り」です
このようにフキが生えているところは
それを刈らずに残しておきます
こうするとやがてここはフキだらけになると期待しています
これで今年の茅葺き作業はすべて終了しました

一入亭の茅葺き修理
<計画> 10年計画の8年目
<種類> 差し茅
<箇所> 後中門右
<面積> 15㎡ (残り修理面積=231-155=76㎡)
<期間> 2024年4月29日~5月16日(実際の作業日数は7日)
<作業> 茅拵え  2日  4人工
     足場建て 0.5日 1人工
     差茅   2.5日 5人工
     刈込み  0.5日 1人工
     足場撤去 0.5日 1人工
     片付け  1日  2人工
     合計 7日 14人工(1日の実働は6時間)
<道具> 梯子(大、中、小)、足場丸太(三間13本、二間3本)、3寸角材 3本、足場板、
     シノー、鎌(大、小)、ヘラ、ガンギンタマ(長、短)、茅ブランコ、バカ棒、
     ウマ 2台、竹箒、ヘッジトリマ―、シート
<材料> 差し茅 78束(二尋の荒縄で二重にしばった太さ)、箱番線 23本
     荒縄二尋 100本、ポリエチレン紐(太さ8㎜と6㎜)
<考察> 出来は「上」
     期間を通じて助っ人を得たので作業が順調に進みました
     差し込んだ茅を最後にそろえたので刈り込みはほんのわずかで済ませました

2024年5月15日水曜日

差し茅 8年目の6日目

今日は差した茅をそろえながら足場丸太を外していきます

グシの下に短く切った茅を差し込みます
ガギンタマで全体を叩いて平らにします
飛び出している茅をハサミで切った後に足場丸太を一段ずつ外していきます
前面をそろえ終えて足場丸太も外して完了です
屋根全体(200平米)からすればほんの一部(15平米)をやったにすぎません
10年計画の8年目が終わりました
茅も時間も体力も残っているので午後に昨年のやり残した部分を差すことにしました
正面の中央最上部の畳一枚分ほどです
清々しました

2024年5月14日火曜日

差し茅 8年目の5日目

しばらく川越に帰っていました
また一入亭に戻り差し茅の作業を再開です
今日は由香さんと二人で46束の茅を差しました
グシまで届いたので差し茅の作業はこれで終わりです

今年は例年の半分の時間で終わらせることができました
作業する屋根面積が15平米と狭かった
屋根に極端に傷んだ箇所がなかった
常に2、3人で作業できた
これらが短時間で完成できた要因です

仕上がりも良好でした
これは一緒に作業してくれた方たちの勘の良さを物語っています

2024年5月2日木曜日

差し茅 8年目の4日目

きょうはよく晴れました
シートを巻き上げてきのうに引き続き差し茅です
きょうも武蔵さんが手伝ってくれます
茅葺きはとても汚れる作業ですが差し茅はさほどではありません
武蔵さんは「楽しい」と言ってやってくれます
有難いことです

屋根の幅が狭いので二人で作業するのが精一杯です
由香さんはきょうも地上勤務です

昼前までに17束差しました
早くも吹き替え予定面積の半分ほどを差し終わりました
上に登っていく足場丸太を二本かけました

シートを掛けて今日は終了です
囲炉裏を焚いて正月飾りを燃やしながら夕食をとりました


2024年5月1日水曜日

差し茅 8年目の3日目

足場建て

昨日までで茅拵えが終わったので今日は午前に足場を建て午後に差し茅を始めます
今年差し茅するのは裏中門の北側で屋根の痛みが最も早く進むところです

武蔵さんが作業を手伝ってくれ由香さんはサポートと記録をしてくれました

足場は長さ三間の丸太を使って建てます
支えの丸太がずれないようにスコップで小さな穴を掘り丸太の根元をそこに入れます
縦横の丸太を箱番線で縛って固定します
今年葺く屋根の幅は例年の半間狭い二間です
足場建ては昼前に終わりました

午後から差し茅を始めました
腐朽した茅をかき落としてから古い茅を引き出します
古い茅にヘラを差し込んで持ち上げて新しい茅を一握りずつ差し込みます
茅を13束差して今日は終了です
夜に降った雨で茅が濡れないようにシートをかけました


2024年4月30日火曜日

差し茅 8年目の2日目

茅拵え

きょうは武蔵さんと由香さんに茅拵(こしら)えを手伝ってもらいました

先日太陽さんと返して乾かした茅をまとめて長さ180㎝の荒縄で二重に縛ります
それをトリマーを使って根元から長さ80㎝ずつ二つに切ります
切った茅束をシルバー3に積んで一入亭に運び雨の当たらない場所に置いておきます

14時頃から霧雨が降ってきましたが最後までなんとか終わらせることができました
濡れている茅はあとで干して乾かすことにします

昨年まではこの作業を一人でやって三日かかりました
今年は三人でやったのでたった一日で終わりました
この調子でいけば全体の作業が例年の半分くらいの期間で終わりそうです
有難いことです


2024年4月29日月曜日

差し茅 8年目の1日目

茅返しの終わった茅場

一入亭(ひとしおてい)の差し茅はこれまで7年間一人で作業をしてきました
今回8年目は毎回一緒に作業してくれる人がいます

きょうは茅場の茅返しを太陽さんとしました
茅返しは冬のあいだ雪の下で寝かせた茅に日を当てる作業です
一人でやると丸一日かかる作業です

今年はそれが有難いことに半日で終わりました
あっという間に終わり疲労感もさほどありません
助っ人の力を得てあっけなく終わった感じです


2024年4月1日月曜日

語学の天才まで1億光年 高野秀行


わたしは大学生の時にはじめて海外へ行きました
行先はヨーロッパアルプスでした
モンブラン、マッターホルン、アイガーというアルプスの名峰に登るためです

その山登りの合い間に店や駅や宿で耳にしたフランス語に心を惹かれました
それで帰国してからフランス語の勉強を始めました
それをほとんど使う機会もなく勉強は数年で終えました

それから数十年たったのちヨーロッパへ自転車旅行に出かけました
ライン川に沿ってスイスの源流からオランダの河口までキャンプしながら走りました
旅の途中でフランス人の自転車乗りと知り合い旅を共にしました
日本へ帰ってからフランス語の勉強を再開しました

その友人とはその後自転車旅に何度も行き一緒に走った距離は5,000㎞に及んでいます
旅の間は彼とフランス語で話をしています
わたしにとってフランス語は旅をするための言葉です

この本の中で著者の高野さんはフランス語に別れを告げています
フランス語にまつわるもろもろが嫌になってしまったのです
その話を読んでわたしも複雑な気分になりました

わたしにとっては旅をするための道具に過ぎないフランス語も重い歴史を背負っている
フランス語を使うのであればその歴史について不知ではいられません
その歴史を知ってフランス語を使うことに対して気が重くなってきました

この4月からは気分を一新するためにスペイン語の学習を始めることにしました


2024年3月24日日曜日

「持たない!」生き方 米山公啓

ときどき図書館でふと見かけた本を手に取って読んでみます
きょうはこれ

神経関係の医師ということで和田秀樹さんと書くことが似ていました
明らかに重複している部分もあります
こちらの本は今から20年近く前の2005年刊です

何を持たない方がいいのか
それを5つ挙げています

1「大きな家」を持たない
2「健康神話」を持たない
3「肩書き」を持たない
4「孤独な時間」を持たない
そして
5「余分な金」を持たない

いまの自分はこれら5つを持っていません
それで幸せかと問われたらどうだか分かりません

読んで面白かったのは最後の「老いる前にやるべき6つのこと」です

1「時間を忘れる時間」を持つ
2 定年までの服を捨てる
3 既製のものを拒否する
4 形のあるのものを残す
5 友人に会っておく
6 やはり世界一周を

「老いる前」というのはこの本の書かれ方からすると定年後からしばらくの間でしょう
ちょうど自分はそこにいると思います
そこで自分はどれくらいできているか考えてみました

1と3と4はかなりできていると思います
2と5はまだ不十分です
6はこれからやってみたいことの一つです

なんか楽しみだな!

とはいえこの本は全体的には退職後の男性の視点で書かれています
それだから自分にマッチしていると言えるし
それだけ限られた意見でしかないとも言えます
そのあたりを塩梅して読んでおこうと思います

2024年3月8日金曜日

運動脳 アンデシュ・ハンセン

 


これから少し古い話をさせていただきます

ちょうど50年前の今頃にわたしは家を出て大学受験のために浪人する決心をしました
家を出た先は新聞配達所が提供してくれた下宿でした
その下宿で寝起きしながら毎朝夕に新聞を配達し勉強をしました
新聞配達は規則正しい生活の支えであり細々とした収入の源でした

新聞配達は歩いたり自転車を漕いだりして体を動かします
若かった自分にはそれほどきつくない労働でした
雨風や雪の日はともかく大体毎日いい気分転換にもなっていました
おかげで希望した大学に入学できました

この本の帯に
「歩く・走る」で学力、集中力、記憶力、意欲、創造性、全部アップ!」
とあります
そんなうまい話があるわけがないと思われるでしょう

新聞配達をしながら受験勉強をしたわたしには納得がいきます
運動はその後のわたしの人生に欠かせないものになりました
これからも運動しながら残りの人生を歩んでいきたいと思っています

有明の月のひかりを待つほどにわが世のいたくふけにけるかな 藤原仲文


2024年1月13日土曜日

ホウボウの宵

分厚く切った刺身
酒と醤油と塩の汁
これに肝と浮袋の甘辛煮と皮の竹串焼きがあったら失神してたかも
 


おせち 2024


壱の重 田作り ぶり塩焼き 海老鬼殻焼き
弐の重 伊達巻 なます 栗きんとん 黒豆
            参の重 筑前炊き 

2023年12月25日月曜日

イブご飯

スティックサラダ
ロマネスコ
グリーンサラダ
アヒージョ
バゲット
ミネストローネ
ロースト・チキン・レッグ
スパークリング・ワイン
ポッキー


2023年12月6日水曜日

冬迎 2023

冬迎(ふゆむかえ)は一入亭という古民家を豪雪から守るためのそなえです
この地方に伝わる民俗的なしきたりでもないし何か美味しいものを食べるわけでもない
家の周りに雪囲いの板を下ろして茅葺きの屋根にはシートを掛けるという大切な労働です

雪囲いの板を降ろす作業は技術的に難しいことはありません
しっかりと板が十手(じって)という金具にはまっていれば問題が生じることはありません

屋根のシート掛けはそうはいきません
シートがきっちり掛かっていないと強風で飛ばされたり破られてしてしまいます
どうやってきっちり掛けるかはほんの数行では説明できません
じっさいに何度もやり何度も失敗してようやくこの頃なんとかできるようになりました

それと今年から協力してくれる人を得ました
その人の働きがほんとうに素晴らしいのでシート掛けはほとんど1日で終わってしまいました
息子とやっていた時は2日かかっていました
屋根職人に依頼していた時でも1日半かかっていたのです
ありがたいことです

シートを掛ける前
棟からシートを掛けます
最後はシートで屋根を覆いつくして下ります
シートを掛け終わりました
無事に来年の春を迎えられますように!