2019年8月3日土曜日

『老後はひとり暮らしが幸せ』 辻川覚志


人は何かをして自分が満足すると良かったと感じます
日常生活においても同様で、日々を満足して暮らせば良い暮らしをしたと感じます

日常生活の満足度にかかわる因子としてつぎのようなものがあります

年齢、性別、悩み度、健康意識、世帯構成、子の有無と遠近、外との接触の多寡、等

一番大きな影響を与えているのは悩みやストレスです

<独居を支えるもの>
①自由で勝手気ままな暮らし
 ⇒ストレスや悩みがたまりにくい

②信頼のおける友人や親戚
 ⇒悩みを聞いてくれて、適切なアドバイスから悩みを減らしてくれる

③住み慣れた土地
 ⇒自らがゆったりと過ごせる空間を提供してくれる

 人に頼らずすべて自分で何でもやろうとすれば、当然相当な身体能力を使います
 そうすることで自らの能力をできるだけ低下させずに済みます

 自らのことは、最期までできるだけ自分でこなさなければならないと覚悟を決めておきます
 そうすると最期まで自分の意思で、満足の行く生活をおくることができます

 ひとり暮らしは炊事、掃除、洗濯を全て自分でやらなければいけないのに満足度は高いのです
 その理由は明確です
 自分が思っている通りの生活ができるからです

<ひとり暮らしを長く楽しめる7つの秘訣>
①生活環境をできるだけ変化させず、自宅を終の棲家にできるようにしておく
 ⇒何も同じ家に住む必要はありません
  友達と会うのに便利で、土地勘のある近くの便利な所に移り住むのはいいことです

②友達を維持する。信頼のおける人を持つ
 (1)自分が置かれている状況について、親身になって心配してくれる人
 (2)どんなことでも話せて、自分を裏切ったりする心配のない人
 (3)自分が考えている価値観を尊重してくれ、何かを強制したり説教したりしない人
 信頼できる人たちと何らかの通信手段でゆるやかにつながっている
 そう感じられることがひとり暮らしの安心につながります

③毎日何かやることをつくる
 (1)お金をかけなくても、自由な発想で、毎日外に出る用事をつくる
 (2)自分にとっても役立つような情報を収集し、心身の活性化に役立つように活動する
 (3)何かを完成させたり、眺めたりできるようにする
 (4)ブログなどで活動の成果を発信する機会をつくる

④できるだけ自分で何でもする
 人間は非常に合理的にできていています
 使わなければすぐにその機能を衰えさせ、身を軽くさせる働きを持っています
 年齢を重ねると、もともとの余力があまりありません
 そのため少し使わないとあっという間に能力が低下してしまいます
 そしてその回復に若い頃よりも時間がかかります
 それを防ぐためにできるだけ体を使い自分で何でもやろうとすることは良いことです

 年を重ねると目や耳から入ってくる情報が減ります
 脳が休み始めると、急速に認知症が進んでくる場合があります
 独居生活で他からの働きかけが少なくなると刺激のない生活になります
 そうしていると、どうしても脳機能が低下することを避けることはできません

 認知症予防には、魚を中心に食べて、緑茶や赤ワインを飲むようにします
 また、人と話をしたり、運動したりして、他者との関わりを持つことが重要です
 このようにして身も心も使い続けることが大切なのです

⑤ひとり暮らしの寂しさを少しでも減らす
 孫、ペット、音

⑥緊急時の対策を決めておく
 見守りシステム

⑦自分の希望を周囲に伝えておく
 エンディングノート

<ひとり暮らしが無理になったら>

 契約家族 NPO法人りすシステム 生前50万円、死後100万円

<満足度が高い老後の独居>
老後の生活満足度を決定づけるもの
・慣れ親しんだ土地
・真に信頼のおける友(親戚)
・勝手気ままな暮らし
これらはどんなに高級な高齢者向け施設にも存在しえないものです
身体能力が低下すれば、当然苦しくなっていきます
それは同居でも同じです
さらに、これに家族への気遣いが加わるために二重に苦しむ結果に終わります

自由でやりたいことができることは、その人が最も望んでいることです
元気な間にまずできるだけ自分で何でもやる習慣を身につけましょう
そして年齢とともに体が不自由になっていってもその習慣を守るようにしましょう
そのことがより満足度の高いする老後生活を送るためには必要です

独居生活は最期のときまで自分の意思で暮らすことができる可能性が高いといえます
ですから老後は独居が一番幸せに近い形なのではないでしょうか

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