竹の皮 もっとも重要なものはマダケ、及び、 その一族である。竹の皮は毎日拾って、晴天に乾かさないと色沢を損じ商品価値がなくなってしまう。 少なくとも落ちてから三日も経ったり、 雨にうたれると色沢を損じカビが生えて商品価値がゼロになってし まう。特にマダケの出筍期は梅雨前だけに雨が多く、 カビが生えやすい。 カビの生えた竹の皮は捨て場にさえ困るほどである。したがって脱皮どきの天候が極めて重要なことである。
竹の葉 登山者に各地で利用することをすすめたい。 また、 仙人はどこでヒントを得たのか笹の芯葉を常食していたといわれる 。
竹筒 伐採などという冬季の仕事はいくらしてもこれでよいという度界の ないのが藪の作業である。昼食は弁当持参はいうまでもない。 今日のようにジャーなどという便利なしゃれたもののない戦前には 、蔵中の生を切って一節を抜き、竹を作り、 各川の水を汲んでたき火によりかけてわかしたものである。 竹は水を入れると強火のなかでも水のあるあいだはけっして魅える ものではないし、割れることもない。
笹茶 村民が笹茶を選んだ生活の知恵だけは讃えられてよいだろう。 笹茶の薬効については、前章の「笹テンプラ」 などにおいてのべたようにビタミンKや他のビタミン、 クロロフィルを多く含んでいることがいえる。 なお、種類については、クマザサ類中でもネマガリダケ、 チュウゴクザサが顕著な効果を示し、メダケ、ネザサについては、 薬効が少ないことを経験者が立証している。
藪梯 近年。庭に巨竹が植え込まれるようになって、 虫害や尊定に梯が使われるようになった。しかし普通の梯では滑って大怪我 をするのがおちである。安全のために藪梯をぜひ使用しなくてはならない。
藪梯は最上段の横桟を藤蔓、棕櫚縄、 または布紐でゆるくくくると使用どきに安定し、滑る心配がないので、いたって便利で安全なものである。いつ、 どこで誰が考案したか知る由もないが、 よくすべる竹の性質をよくキャッチしたものである。
パンプー・ランタン 本品も簡単なものであるが、 実によく竹の弾性と固さの性質を生かしている。むしろ発明が遅かったこ とが不思議なほどである。 キャンプに出かけると誰もが欲しがるものである。
ことに深夜に小人数で出かけた時には有難みが身にしみてくる。 まして不慮の災害時の人手不足にはどこでも役にたって有難いもので ある。
まず、竹は長さ五〇〜一〇〇センチくらいに切り、 両端をしばって中央を五つか、六つに割り、 この割った部分へ懐中竃灯を挿入し人手をかりずに同一方向をいくら 長時間でも照らすことができるものである。 下端は尖らせ土中に挿入できるようにしてあるので暗夜に裸地の作 業やテント中での読書などに便利である。 上端は孔をあけて針金を通し、 木の枝にさげられるようにしておく。針金のかわりに紐を用いると、ゆらゆらゆれて固定がむずかしい。このパンプー・ ランタンは買っても安価だし、竹 は日本中どこへ行っても求められるので実に便利なものである。
竹製品にもさまざまのものがあるが、家族の人数に応じて、また、 入れものによって形を考えるのは当然であるが材料は稈の皮部を細 いひごにして編んだものと、 皮を剥ぎとり中身で編んだものとがある。 さらに作の骨に竹の皮を用いたものや身を用いたものがある。 もちろん皮の部分で編んだものは多少高価であるが、 ずっと長もちするので、長い目でみると経済的である。 そのうえカビの生えることが少なく、水きりが一層よいので、 皮製のものをすすめたい。
つぎに竹笊を長もちさせるには、 つぎの二つの方法をぜひ実行してもらいたい。
竹製品を乱暴に使用すると口縁部がすぐにはずれる。 これを防ぐためには購入早々針金を笊の口縁部より底部へ、 さらに口縁部へと二組か、三組かけてしばっておくと二~ 三倍も長もちする。
さらに買入れると、すぐに五~一〇分間、湯の中に入れて煮る。 すなわち湯抜きすることである。この湯抜きをすると二~三倍長もする。 ただし丸竹が一部に使用してあるときは日陰でゆっくり乾燥しない と亀裂ができるし、 接着剤を使用しているものは湯抜きをしない方が無難である。
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