2019年1月23日水曜日

『エチカ』 スピノザ


スピノザという人について「汎神論」という言葉だけを思い出します
「汎神論」とはそこらじゅうに神がいるという考え方です
八百万の神とどのように違うのか、そこまでは分かりません
ただ原始的な日本人の心性と通じるところがあるような気がします

「エチカ」とは「エートス」について考える哲学だそうです
その「エートス」のもともとの意味は「動物のすみか」だそうです
なので「エチカ」では人がどこで生まれ、どのように育ち、今何をしているか考えます
スピノザが明らかにしようとしたのはこの世界や人間の性質です

「人間は一般的観念に従って完全か不完全かを判断している
 自然の中に完全なものと不完全なものがある訳ではない
 同じように
 それ自体で『善』、それ自体で『悪』というものは存在しない
 同一事物が同時に『善』『悪』『中間物』でありうる
 例えば、音楽は憂鬱の人には善く、悲傷の人には悪しく、
 聾者には善くも悪しくもない」

善いものは喜びの感情(楽しみ)を高めます
賢者とはいろいろな楽しみを知っている人です

スピノザが重視したのは人間の本質「力」(コナトゥス)です
人間の基本的な感情は「喜び」「悲しみ」「欲望」からなる
諸々の感情はこの三者から生じます

喜び
愛、帰依、希望、安堵、好意、高慢、歓喜、鄭重
好感、同情、自己満足、感謝、大胆、慈悲心、名誉
悲しみ
憎しみ、反発、絶望、落胆、憤慨、見くびり、妬み、謙遜
自卑、恥辱、憐憫、後悔、恐怖、軽蔑、驚き、嘲弄
小心、恐慌、残忍、買いかぶり、臆病、思慕、怒り、復讐心
欲望
貪欲、美味欲、名誉欲、競争心、情欲、飲酒欲、金銭欲

 

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