2019年1月1日火曜日

『専門医が治す!自律神経失調症』 久保木富房

今日は七十二候の「雪下りて麦のびる」です


潰瘍(かいよう)性格と呼ばれる人たちがいるのをご存知でしょうか
わたしはこの本を読むまで知りませんでした
潰瘍性格とはどんな性格なのでしょうか
その性格から脱するにはどうしたらよいでしょうか

潰瘍性格とは
性格的特徴が原因となって胃潰瘍や十二指腸潰瘍になりやすい人たちのことです
一見社会や組織によく適合して仕事や人間関係を卒なくこなしているように見えます
実際には自分の気持ちを抑え込んで他人の意向に合わせている場合が多いのです
自分自身の感情をあらわにしないのでまわりには敵があまりできません

潰瘍発現のメカニズム
潰瘍性格の人たちは多く胃潰瘍や十二指腸潰瘍に苦しんでいます
厄介なのはその潰瘍が完治せずに事あるごとに再発することです
いったいどんなわけでそうなってしまうのでしょう

潰瘍性格の人は自分の感情を抑えて人と合わせていこうとします
そのこと自体は適応能力が高いと評価されることもあります
問題はいつもこのように行動することで自分の心体に無理をかけていまうことです
これが高じると自律神経やホルモンの異常が起こります
さらに悪化すると内臓の異常やその他の自律神経症状が現れるます
潰瘍性格の人はこれが胃潰瘍や十二指腸潰瘍となって腹部に不快な痛みが生じます

痛みはガストールなどの投薬や発症の原因の解消などで快癒します
しかしふたたび心体に負荷のかかる状況に陥れば再発し完治しません
このように潰瘍が再発することが潰瘍性格の人々の悩みです

さらば潰瘍性格
潰瘍性格の人はこのような性格と縁を切りたいと思っている人が大多数でしょう
このままでいたい人は稀有だと思います
では潰瘍性格とおさらばするにはどうしたらいいでしょうか

潰瘍性格を自覚する
まずは自分がそのような性格であることを深く自覚します
あくまで自覚です
反省ではありません
自分は感情表現の苦手な潰瘍性格なのだと忘れないようにしておきます

潰瘍が痛みだしたら「自分は潰瘍性格なのだ」と思いながら痛いところをさすってみます
不思議なことにそれだけでも痛みが鎮まることがあります
潰瘍性格を自覚するだけで効果がありえるのです

そこでまず、潰瘍性格の人はふだんから自分の性格のことを忘れないようにします
潰瘍性格とはどんな性格か人に説明できるくらいになれれば重畳です

潰瘍の痛みを予防する
潰瘍が痛みだす前にできることもあります
朝その日の予定の中に潰瘍性格が災いしそうなイベントがないかチェックします
たとえば法事とか、会議とか、研修とか、人との関わりが主となる用事です
もしあるようでしたら心の準備をしておきます
準備といっても難しくも厄介でもありません
「今日は自分の気持ちを少し出してみようかな」とささやかな誓いをたてるだけです

誓ったのだけれど、いざその場になったらできなかったということもあるかもしれません
それでぜんぜんかまいません
大切なのはうまくできるかどうかではなく、自分の性格を自覚して行動することです
そして自分の思いを人に伝えることを少しずつ習慣化していくことです

自分の感情の表し方
人と交わる状況はじつに様々あります
くだけた仲間うちの付き合いから、緊張感が走る堅苦しい会議まで千差万別です
どんな状況であれ場が和むような発言は歓迎されます
とはいえこれはなかなか難しく初めはうまくいかないでしょう
何度もすべってしまうでしょう
それで一向に構いません
恥ずかしいとか人に迷惑だとか考えるのはやめましょう
ここが我慢のしどころです

そして普通の人になる
機会あるごとに自身の感情をすこしでも表現しようと試みます
そうするとそれがいつか自然にできるようになります
自然にできるとは、必ずしも上手くできるということではありません
ことさらに意識しなくても自分の気持ちを出すように行動しているということです

もちろん自然なだけでなく上手くできていれば恰好いいかもしれません
しかし上手くできなくてもぜんぜん構いません
上手くなくたって少なくとも人に迷惑をかけることにはならないからです
自分の気持ちを上手く伝えられない人なんてたくさんいます
上手くできなくて普通の人なのです
普通の人の普通の行動が迷惑だなんてことはないのです

大切なのは自分の感情を絶えず解き放つよう試みることです
それだけで人の心体への負荷はずっと軽くなります
潰瘍性格の人にとってはこれが胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発を断つ方向につながります

このようにして普通の人になれたら素敵じゃないですか

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