2021年6月21日月曜日

「村の一年(写真で見る日本生活図引別巻)」           熊谷元一=写真 須藤功=編


昨年の夏至からこの本を読みはじめ、ちょうど一年かけて読み終わりました
写真集なので「見終わりました」というのが正しいかもしれません

この写真集は高度成長の波が押し寄せる直前のある農家の一年をとらえたものです
今から65年前のその暮らしはじつに自給自足的で現代の感覚からすると貧しいです

一家は衣食住のほとんどすべてを自分たちの手でなんとかしていました
だからとても忙しくて体だけでなく頭もとても疲れたことと思います

それなのに、というか、それだからこそ家族の表情がとてもいいのです
とりわけ子供たちの明るい笑顔に心を打たれます

つましい暮らしの中でこれほどに幸せそうにしていられたのはなぜでしょうか?
貧富を問わず、今この家族のように暮らせている人たちはどれほどいるのでしょうか?

この写真集を編集した須藤功という人が本のはじめに
「豊かさの初めに掲げるべき思いやりの心を、家族も村人も等しく持っている」
と書いています

私たちは豊かになるとともに笑顔も思いやりの心も失ってしまったようです

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