村上春樹はこのすぐ前に『猫を棄てる』という本を書きました
それを読んで感じたことがありました
この人は自分自身のことを語りはじめたんだな、と
小説の内容のどこまでが真実か読者には確かめようもありません
そうかといってこの本のほとんどが作り話ということは考えられません
大方はこの人がじっさいに経験したことを書いたのだと思います
『一人称単数』は短編小説集です
小説とは基本的に創作された文章です
作り話です
それでも僕はここにこの人が体験した真実を多く認めます
この人は自分自身のことを語っているのだと感じます
この人の長編小説の中にはいろんな主人公が登場してきました
それらのキャラクターの中にもこの人自身を見出すことは少なからずありました
この本はそれらと一線を画するものです
「ウィズ・ザ・ビートルズ」は創作ではなく真実だとしても不自然な所が見当たりません
じっさいに体験したことでなければ書けないような内容です
なので書かれていることの多くは本当にあったのだと思います
僕は思い込みの激しい人間です
なのでこの人にまんまと一杯食わされているかもしれません
つまりよくできた作り話をまともに受け止めていると…
そうであっても構いません
それも読書の楽しみ方の一つでしょうから
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