
カズオ・イシグロの原著とその翻訳本を並行して読んでみました
英語力が不足しているため原著では内容をよく理解できません
かといって翻訳本で読むのはもったいない気がします
そこで数ページ原著を読み、ついでその翻訳を読むという方法で読んでみました
ちくいち本を持ち替えるのが面倒ですが英語のニュアンスも味わえて面白く読めました
本を読んでから映画も見たので作品の印象がより鮮明になりました
面白かったのは主人公の執事スティーブンスと彼をとりまく人々との様々な心模様です
ミス・ケントンが差しのべる愛に執事の威厳をもって対峙する悲しさ
ナチに利用されるダーリントン卿を信じ執事としての仕事だけに傾注しようとする律義さ
自分の仕事へのプライドが市井の人々の誤解を生むもどかしさ
そしてこの本の最後に登場したことばからタイトルの印象ががらりと変わりました
The evening's the best part of the day.
タイトルのThe Remains of the Dayに初めは人生を振り返る感じを持っていました
日本語の日の名残りというタイトルについても過去の出来事の残照というイメージでした
ところが上の言葉が暗喩するようにthe dayを人生と置き換えるとどうでしょうか
the remainsは昔の話というよりは、これからの人生という感じになりませんか
最後の最後にそう感じたのでこの本は面白いなと思いました
0 件のコメント:
コメントを投稿