2018年9月16日日曜日
『お金2.0』 佐藤航陽
私と私を取り巻く日本人男性の退職前後の人生になぞらえてこの本を解釈してみました
退職前
資本主義の原理原則である経済性、効率性、費用対効果、有用性を第一として生きています
これは戦後の復興期から高度経済成長期にかけて生まれた価値観です
非営利組織や個人で働いていたとしても原則は資本主義的であることに変わりありません
この世代は貧しさから抜け出して物質的に裕福になることが人生の目的でした
お金が欲しい、美味しいものが食べたい、家を建てたい、などです
いまの日本では人口減少、経済成長の鈍化により資本主義は行き詰まっています
カネ余りで預金利子はマイナス、モノは売れず景気は低迷しています
そのことを肌身で感じ退職後はこれまでと違う生き方が必要と考えています
ではどのように生きたらいいのか
それが分からないので退職は一日延ばしになります
資本主義が機能不全を起こしている時代にその価値観を引きずって生きるのは危険です
退職後の人生まで資本主義と同じように行き詰まり低迷する運命になるからです
いさぎよく退職し自分の中にある資本主義原則をまず強制終了させなければいけません
退職後
退職したら自分自身の発想から資本主義の要素を可能な限り払拭することに努めます
そして資本主義の枠組みでは無視されてきた価値に意識的に注目するようにします
このように価値を中心とした世界を価値主義といい資本主義の欠点を補完する働きをします
価値は物質的価値、内面的価値、社会的価値の3つに分類できます
物質的価値つまりモノやカネは人の欲望を満たす実世界の中心をなしています
これをどこまでも追及するのが資本主義です
しかし人はもう十分豊かになり物質的価値への憧れはしぼみました
内面的な価値とは精神的で目に見えず、かつポジティブな感情をいいます
愛、共感、信頼、感謝、好意など人間の精神にとって高い効用がある価値です
物質的に豊かになることに無心だった世代は内面的な価値を認識しにくい傾向があります
このため内面的な価値を高めることにあまり関心を持っていません
社会的な価値は個人ではなく社会全体の持続性を高めるような普遍的活動です
いま多くの人が内面的な価値の重要性を感じており経済を動かす原動力になっています
このような時代に自分の内面的な価値を高めるにはどうしたらよいでしょうか?
自分自身と向き合い自分の情熱を発見し自らの価値を大事に育てていくことです!
自分と向き合うということは自分が何をすることが本当に好きなのか探すことです
自分自身が一日中やっていても何日続けても飽きないことを見つけることです
価値主義の世界では好きなことに熱中している人ほどうまくいきやすいからです
自分が熱中できることが見つかるまでの速さは人により差があります
すぐに見つかる人となかなか見つからない人がいます
自分の情熱のありかがなかなか見つからないのは心がサビている人です
心がサビたのは長い資本主義の人生ですっかり情熱のありかを見失ってしまったからです
自分が興味を持ち熱中していたことがいったい何だったかを忘れてしまった人です
このような人はまず心のサビを削り落とさなければなりません
できるのであれば一人旅をすることです
一人でぼんやり過ごす時間には自然に自分自身との対話がはじまります
自分の過去・現在・未来にかかわることが勝手に頭の中に浮かんできます
旅の中で出会う人々との会話やめずらしい景観や食べ物などがそれを一層かきたてます
こうすることで心のサビがはがれていき忘れていた情熱が顔をのぞかせはじめます
それを糸口に細い道を辿っていけば自分の情熱の原泉に至ることができます
その泉こそ自分の価値が湧き出るところです
自分の情熱のありかは分かりました
つぎはこの情熱を大事に育てていきます
大事にとは共感と熱中ができ信頼がおけ好意と感謝の気持ちが持てるようにすることです
育てるとは自分なりの価値の枠組みを作ることです
それには事業戦略、CSR、ブランディングが必須です
このようにして自分の価値を高めておきます
自分の価値を高めておくとなぜいいのでしょうか?
自分の価値を高めておけば何とかなる世界が実現しつつあるからです
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