一入亭の庭のかたすみに毎年たくさんの実をつける柿の木があります。
渋い柿なので食べませんでした。その実が秋に色づいて落ちるとタヌキが山から食べにきていました。
このタヌキがついでに隣家の畑をあらしたり一入亭の縁の下にはいってキャッキャとさわいだり好き放題しています。
この柿をつかって柿渋をつくることにしました。
一入亭では柿渋をあちこちに使っています。
風呂場 |
風呂場の床 |
風呂場の床や腰板の上に柿渋を塗りました。柿渋には木の表面を固くして防水する効果があります。塗ってしばらくすると柿渋色(団十郎茶)に変わりました。窓の外の緑とのコントラストがきれいです。
風呂場からの眺め |
茶の間の床を張りなおしたときにも上に柿渋を塗りました。柿渋には防水に加えて防虫の効果もあります。ここで昼寝をしていて虫さんが顔のうえを歩かないことを期待しました。
このほかにもさまざまな効用がある柿渋ですが市販品はいささか高価です。もっぱらタヌキのエサになっていた庭の柿で柿渋をつくってみることにしました。
柿渋の仕込み
今回は世田谷区の次大夫堀民家園で毎年行われている方法で仕込んでみました。
<道具>
柿もぎ(自作)、ハシゴ、カゴ3個、ステンレス包丁、ポリ袋厚口10枚、ハンマー、カルキ抜きした水30リットル、プラスチック樽30リットル3個
落とす
ハシゴにのり柿もぎを使って枝ごとガシガシ落とします。
落とした柿を枝からもぎます。割れたり黄変している実はつかいません。収穫した柿は重さ約40㎏で1,000個以上ありました。
洗う
柿の表面のゴミなどをかるく洗いおとしました。
ステンレスの包丁で実を半切りにしました。1000個もあるのでたいへんです。
切った柿を厚口のポリ袋に入れ口をしばりました。
ポリ袋に入れたハンマーで柿を潰しました。これまた数が多いしハンマーが重たいしで「たいへんだ、たいへんだ」といっている人がいました。
浸す
潰した柿をプラスチック樽にいれカルキ抜きした水を加えます。
発酵で出た泡が見えますね。
これで仕込みはおわりです。
3週間ねかせたあと絞ります。
それまで1日2回撹拌します。
「柿渋つくり (2)しぼり」へつづく
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