2023年5月23日火曜日

『工藝の道』 柳 宗悦

わたしは藁竹茅(わらたけかや)と称して手仕事の工房をひらいています

藁は藁細工
竹は竹細工
そして茅は茅葺きです

それぞれ使う材料は自分で調達します

隣の農家からいただいた藁で藁細工
河川敷に自生している竹で竹細工
空地に繁茂した茅で茅葺きをしています

そうやって手仕事を続けてきました
そうしているうちに手仕事をひとつの基準で見るようになってきたと思います
美の標準のようなものが自分の中に形成されてきたといってもいいかもしれません

その標準についてもう少し具体的に言えば
美しい手仕事とは材料の見た目が素朴で力強く
道具として求められる機能が備わったものです

そのように感じられるものが作りたい手仕事でした

手仕事を専らとすることに決めた8年前にこの本を読みました

「・・・作家は彼の工藝を民衆的作品の位置まで高めねばならぬ。美を私する作家として止まるなら、彼は彼の作がまだいかに低きかを覚らねばならぬ。工藝が民衆に結ばれる時ほどその美が深まる時はないのであるから。そうしてあの平凡な民衆の誰でもが、卓越した作品を平易に作る時ほど、偉大な時代はないのであるから。真に工藝時代の現出なくして美の社会はない。」(P.77)

卓越した手仕事ができる平凡な人になりたい

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