『これ(社会保守)は、大多数の人々が「普通」と感じる社会的・文化的秩序、また社会的関係についての常識を、さまざまな異論を封じ込めることで維持し、そうすることで社会の安定を生み出そうとする態度や傾向を意味している』P.336
普段生活していて何かを選択しなければならないことはよくあります
そんな時にこうするのが「普通」だと一択で回答を迫まる人が結構います
昨年完成した自宅の建築工事をしているあいだによくこういう人に遭遇しました
家を建てることは建主にとって何かを選択することの連続です
家を建てるなどということは多くの人にとって一生に一度きりのことです
だから自分が建てたいような家を建てようとかたく決心していました
ところがこちらは建築の素人なのでなかなか決められないことも多かったのです
相対する工務店は建築のプロです
こちらとは比較にならないほどたくさんの知識と経験を持っています
たとえばわたしが壁紙の色や材質で迷っているときは的確にアドバイスしてくれました
建築業者の中には建主の無知に付け込んで自分に都合よく話を進めようとする人もいます
「こういう部屋にはこういう壁紙にするのが普通ですよ」などと言ってです
家が完成してから建主の人が「自分の好きな色にすれば良かった」と思っても後の祭りです
この程度のことでしたら深刻に考える必要はないかもしれません
世の中がざわめき立つと怖いことになります
「大多数の人びと」のなかの「社会保守」があちこちで頭をもたげてくるからです
『普通の人びとがどれほど強大な影響力を発揮して国内社会の異論を封じ込めたり、しばしば暴力的で残酷な手段で国内秩序と社会の安定を生み出そうとしていたりしたか』P.340
普通の人びとの暴力について
『草の根のファシズム 日本民衆の戦争体験』 吉見義明
『ヒトラーを支持したドイツ国民』 ロバート・ジェラテリー
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