2023年7月22日土曜日

『街とその不確かな壁』 村上春樹


この本を読み終わってすぐにある思いが湧き上がってきました

それは自分の大切な人たちは夢半ばで人生を終えてしまったのではないかということ
そして自分は彼らの人生を踏み台にして自分の夢を実現したのではないかという思いです

あの人たちがどんな夢を持っていたのかそれは知りません
知らないのだけれどそれを実現することなく亡くなっていったような気がするのです

それと裏腹に(こんなことを言うのは不遜で誤解を招くことだと思いますが)
この自分は若い時に抱いた夢の多くをすでに叶えたように感じているのです
そして夢を叶えたという心地よさと同時に後味の悪い思いもこみあげてくるのです
今の自分は何人もの大切な人の犠牲の上に立っているのではないかと

このような気分を振り払うのは難しいことです
それはできないしまたそうする必要も無いのでしょう
きっと