2018年11月4日日曜日
『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』 坂口恭平
先月「ピダハン」という現代文明に依存しないアマゾンの人々についての本を読みました
かれらが物をほとんど所有することなく幸せな暮らしを営んでいる様子が書かれてました
日本から見れば地球の裏側の人里離れた森林の中でのピダハンの生活に共感しました
「ピダハン」の著者ダニエル・エヴェレットはつぎのように書いています
「ピダハンにとって、そしてそれはわたしたち全員にとっても同じだが、知識とは、経験が文化と個々人の精神を鏡にして解釈されるものだ」
このことを自分自身の経験にひきつけて考え、わたしは深く納得しました
今回読んだこの比較的長いタイトルの本に書いてあることは興味深いことでした
第一に東京という大都会にも「ピダハン」のようにして暮らしている人々がいることです
ピダハンはアマゾンの森の中で幸せに生きていくための知恵を身につけています
かれらは生きていくうえで必要のない物や考えにはほとんど関心がありません
坂口はこの本の中でつぎのように言っています
「自分の身体を使って体験を重ねると、必要な技術はいくらでも進歩するのが、人間というものだ」
これは坂口が東京で都市型狩猟採集生活をしている人々から学んだことです
これが「ピダハン」の人々やわたしたちにもぴったりあてはまっているのです
つまりこれは誰にとっても普遍的なことなのです。
「その生活は、資本主義とは異なる、別の経済観念によって成立している。つまり、自分にはどれぐらいのエネルギーが必要なのかを把握し、その分だけを自らの手で手に入れるという考え方である。そこには過剰も不足もない」
これもまさにピダハンの人々のことを言ったこととして理解できます。
最後にダメ押し的に坂口が言っていることを見てみましょう
「あらゆる経済、企業がじつは幻のようなものであり、そこには安定などないことが、少しずつ明らかになってきた。そんな時代だからこそ、人間にとって本当に必要なものは何か、どんな知識を持つべきか、どんな道具を獲得すべきかを真剣に考えていくことが重要である」
この考え方は今を生きる誰にとっても大切なことだと思います。
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