なぜそうなったのかも分からないままわたしはあちらこちらの古民家を見てあるきました
一入亭 南東側 1994年4月16日 |
越後の山あいにあるこの茅葺の家が気に入りました。江戸時代のおわりに建てられたと聞きました。あれやこれや考えたあげくこの家と気長につきあっていくことにしました。
この家で気ままにしているとこころが静かになりました
わたしはこの家を一入亭(ひとしおてい)と名づけました
一入亭は新潟県から秋田県にかけての中山間部にかつて数多くあった中門造(ちゅうもんづくり)という軒下の高い茅葺の曲り家です
建てられてから100年以上たったこの家にはほうぼうに改築のあとがありました
北西側の増築部分は総二階で屋根はコンクリート瓦葺でした
一入亭 北西側 1993年7月9日 |
一入亭 平面図 1993年7月23日 |
わたしは一入亭をできるだけ建てられた当時のすがたにもどし内部は住みやすいように改修しようと考えました
間取りはニワ(土間)、チャノマ(居間)、デイ(座敷)という伝統的な広間型に復元したいと思いました
表側の中門の厩(ウマヤ)があったところには水回りを集中させ寝間(ネマ)があった後ろの中門には書斎をおきたいと思いました
一入亭 改修計画図 |
茅葺と上下水道・ガス工事のほかは自分でやるつもりでつぎのような改修計画をたてました
1.茅葺屋根の葺替
2.前中門前部と母屋南東側のガンギおよび物置小屋の撤去
3.北西側の増築部分の撤去とその部分の屋根の茅葺
4.既存の台所・風呂・便所の撤去と水回りのウマヤへの集中
5.屋内電気配線の再配線
一入亭の被害を伝える新聞 2005年1月 |
改修計画の3までをやり終え4にとりかかっているときに中越地震(2004年10月23日)がおきました
震度7の震央にあった一入亭の敷地には亀裂が入り地盤が傾きました
建物もダメージを受けて「半壊」と診断されました。
一入亭 北西側 2016年8月17日 |
中越地震の被害からの復旧に3、4年を費やしました
それからふたたび改修をはじめ当初に計画した修理を2014年の夏までに終えました
改修をはじめてから20年がたっていました。
一入亭 南東側 2016年7月8日 |
いま一入亭は茅葺屋根がだいぶ薄くなってきました
居住性をよくする必要もあると思います
第2次の改修計画をたてて2026年までに仕上げたいと思っています
どうなるでしょうか?
その様子をこのブログでお知らせしていきます。
つづく